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「町工場のプラットフォーム化」でモノ作り復活

第1回 リバネス・丸幸弘CEO

2015年12月7日(月)

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 「ホワイト企業」――。筆者らは新しい組織の在り方として、「ブラック企業」ならぬホワイト企業を提案している。

 ホワイト企業とは決して、福利厚生を重んじた社員に優しい会社という意味ではない。価値創造力を高めるため人材開発に力を入れ、イノベーション(ここでは「技術革新」ではなく「価値創造」を指す)に結びつく実力重視の会社だ。

 組織のイノベーション力を高めるには、価値創造を牽引する「クリエイティブ・キャピタル」を組織内で増やし、価値創造に向けた「創造的学習」を促すことがカギとなる。クリエイティブ・キャピタル(資産)とは、専門知識や技能を身につけ、顧客や社会にとって価値が高い仕事をする人のことを指す。

 クリエイティブ・キャピタルになろうとする社員を歓迎し支援する会社であれば、ポテンシャルの高い人材が続々と集まってくるだろう。一方で、人材を単なる必要経費(コスト)としか見なさず、人を使い捨てにするような企業からは、クリエイティブ・キャピタルは育たない。そんな企業はブラック企業と呼ばれても仕方があるまい。

 なぜ今、企業はホワイト企業を目指すべきなのか。どうすればホワイト企業になれるのか。そして個々人がクリエイティブ・キャピタルになるにはどうすればいいのか。筆者らは約2年をかけて取材と調査を繰り返し、経営者、事業家、現場で働くプロフェッショナルたちの声を盛り込みながら、書籍『ホワイト企業 創造的学習をする「個人」を育てる「組織」』(日経BP社)としてまとめ上げた。

 書籍ではページ数の都合もあり、一つひとつの事例を詳しく書けなかった。本連載では、書籍に登場した主要人物に再取材し、クリエイティブ・キャピタルに至る道、イノベーティブな組織のつくり方、ホワイト企業を支える人々の考え方など、詳細を迫っていくことにした。

 第1回の登場人物は、社員約60人は全員修士号または博士号を持つというベンチャー企業、リバネスの丸幸弘CEOである。「サイエンスを通じて社会問題を解決する」ことを掲げるリバネスの事業は、小中高校への「最先端科学の出前実験教室」の提供、若手研究者への研究助成、起業家支援、企業と研究者間のマッチング事業、研究開発事業など多岐にわたる。
 実に特徴的なのが、墨田区の町工場約3500件の情報を集約して企業や研究者につなぐというマッチング事業「EngGarage(エンガレージ)」である。この墨田区での取り組み、そしてイノベーションに対する考え方など、書籍『ホワイト企業』では書き切れなかった具体的な内容について聞いた。

(聞き手は永禮 弘之、構成は高下 義弘)

丸 幸弘(まる・ゆきひろ)
リバネス 代表取締役CEO
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻博士課程修了。博士(農学) 。大学院在学中に理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立。「最先端科学の出前実験教室」を日本で初めてビジネス化。大学や地域に眠る経営資源や技術を組み合わせて新事業のタネを生み出す「知識製造業」を掲げ、世界の知を集めるインフラ「知識プラットフォーム」を通じて200以上のプロジェクトを進行させる。ユーグレナ技術顧問など、多数のベンチャー企業の立ち上げにも携わるイノベーターとして活動中。

永禮:いま日本では盛んにイノベーションの必要性が叫ばれています。私が執筆しました書籍『ホワイト企業』では、イノベーションを「新しい価値を生むこと」と広い解釈でとらえたうえで、イノベーションを喚起する環境や組織の構造について探りました。

 イノベーションを生む土壌として、組織の枠にとらわれない、開かれたネットワークが期待されています。そこで伺いたいのが御社のマッチング事業、EngGarage(エンガレージ)です。この事業で御社は墨田区の町工場約3500件の情報を調査・集約しており、製造技術を欲しているベンチャー企業や、研究成果の実践の場を探している大学研究者に、適切と思われる町工場を紹介しています。

:墨田区という地域の特徴は、皮のなめし、板金、プラスチック加工などなど、多様な分野の町工場があるという点です。これらの町工場を横につなげば、野心的で個性的なメーカーが望んでいる小ロット多品種が理想的な形で実現できます。

 エンガレージでは3500件の町工場の情報を集約し、様々な企業や研究者と相互につないでいます。もともとは墨田区から発注いただいた調査事業が始まりなのですが、リバネスの社員が3500件の町工場を全部、自転車でまわって調べ上げたんです。どこの町工場がどんな技術を持っていて何が得意なのかというのは、インターネットには出ていないので。最初、社員から「自転車20台」という明細がきて、これ一体何だよ、普通、調査事業だったら交通費だろうと社員に問いただした記憶があります(笑)。

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「ホワイト企業のつくり方」のバックナンバー

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「「町工場のプラットフォーム化」でモノ作り復活」の著者

永禮 弘之

永禮 弘之(ながれ・ひろゆき)

エレクセ・パートナーズ代表取締役

化学会社、外資系コンサルティング会社、衛星放送会社などを経験後、2008年にエレクセ・パートナーズを設立、現在に至る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

高下 義弘

高下 義弘(たかした・よしひろ)

ライター

1974年生まれ。大学院修了後の1998年に日経BP社に入社。「日経コンピュータ」「ITpro」の記者/編集者として、IT(情報技術)と経営の動向を取材。2011年にフリーランス編集者・ライターとして独立

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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