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「自主性が高い28歳女性」をつくる女子高の秘密

第2回 品川女子学院 漆紫穂子校長

2015年12月14日(月)

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 「ホワイト企業」――。筆者らは新しい組織の在り方として、「ブラック企業」ならぬホワイト企業を提案している。

 ホワイト企業とは決して、福利厚生を重んじた社員に優しい会社という意味ではない。価値創造力を高めるため人材開発に力を入れ、イノベーション(ここでは「技術革新」ではなく「価値創造」を指す)に結びつく実力重視の会社だ。

 組織のイノベーション力を高めるには、価値創造を牽引する「クリエイティブ・キャピタル」を組織内で増やし、価値創造に向けた「創造的学習」を促すことがカギとなる。クリエイティブ・キャピタル(資産)とは、専門知識や技能を身につけ、顧客や社会にとって価値が高い仕事をする人のことを指す。

 クリエイティブ・キャピタルになろうとする社員を歓迎し支援する会社であれば、ポテンシャルの高い人材が続々と集まってくるだろう。一方で、人材を単なる必要経費(コスト)としか見なさず、人を使い捨てにするような企業からは、クリエイティブ・キャピタルは育たない。そんな企業はブラック企業と呼ばれても仕方があるまい。

 なぜ今、企業はホワイト企業を目指すべきなのか。どうすればホワイト企業になれるのか。そして個々人がクリエイティブ・キャピタルになるにはどうすればいいのか。筆者らは約2年をかけて取材と調査を繰り返し、経営者、事業家、現場で働くプロフェッショナルたちの声を盛り込みながら、書籍『ホワイト企業 創造的学習をする「個人」を育てる「組織」』(日経BP社)としてまとめ上げた。

 書籍ではページ数の都合もあり、一つひとつの事例を深掘りして書けなかった。そこで本連載では、書籍に登場した主要人物に再取材し、クリエイティブ・キャピタルに至る道、イノベーティブな組織のつくり方、ホワイト企業を支える人々の考え方など、詳細を迫っていくことにした。

 初回の登場人物は、中高一貫の私立校である品川女子学院の漆紫穂子校長である。品川女子学院は一時は定員割れが続き存続が危ぶまれたという。だが同学院は改革を通じて、生徒の自主性を尊重し喚起する独自の校風を醸成。今では首都圏でも特に人気の高い学校として注目されている。

品川女子学院がキユーピーと共同で開発した商品「パンで焼きたてアップルパイ風」(写真はAmazon販売ページから)

 特徴的なのは、企業など外部のリソースを取り入れて開発した、独自の教育プログラムだ。品川女子学院では主に、小中高で定められている「総合学習(総合的学習の時間、週に約2時間分)」をこうした教育の時間に充てている。例えば2014年度の中学3年生は、キユーピーと共同でリンゴのスプレッド「パンで焼きたてアップルパイ風」を開発した(写真)。これは今年商品化され、現在Amazonでも購入できる(Amazonの商品情報ページはこちら)。過去から取り組んできた一連の取り組みが評価され、文部科学省の先端教育開発プロジェクト「スーパーグローバルハイスクール」の指定校にもなった。

 ビジネスパーソンとして注目すべきは、この教育方針と実践内容である。クリエイティブ・キャピタルと呼ぶにふさわしい、自主的かつ自律的に学び続ける人材をどうやって育てていくか。品川女子学院・漆校長の話を聞いてみよう。大人顔負けの生徒の活躍ぶりと、その裏側にある興味深い仕掛けや教育思想がうかがえた。

(聞き手は永禮 弘之、構成は高下 義弘)

漆 紫穂子(うるし・しほこ)
品川女子学院校長1925年創立の中高一貫校・品川女子学院の6代目校長。早稲田大学国語国文学専攻科修了。国語教師を経て2006年より現職。2013年6月に行われた世界経済フォーラムの東アジア会議出席。教育再生実行会議委員(内閣官房)、2020年に向けた文化イベント等のあり方検討会委員(文化庁)、初等中等教育段階における起業家教育の普及に関する検討会(経済産業省)。同校は1989年からの学校改革により7年間で入学希望者数が60倍に。現在は「28プロジェクト~28歳になったときに社会で活躍する女性の育成」を教育の柱に、企業とのコラボレーション、起業体験プログラム等、社会と子どもを繋ぐ学校作りを実践している。平成26年度スーパーグローバルハイスクールに指定。趣味はトライアスロン。2012年国際トライアスロン連合(ITU)世界選手権スペイン大会において年齢別日本代表。著書は『伸びる子の育て方』(ダイヤモンド社)、『女の子が幸せになる子育て』(かんき出版)、『女の子が幸せになる授業』(小学館)、『女の子の未来が輝く子育て』(朝日新聞出版)。品川女子学院のウェブサイトで「校長日記」を毎日更新。

永禮:品川女子学院は教育目標に「能動的に人生を創る日本女性の教養を高め」と掲げていますが、まさにその能動的という教育目標が具現化されている姿を目の当たりにする機会がありました。

 私は企業のコンサルティングのほか大学の講師として教壇に立っているのですが、目立って発言が積極的で、しかも行動が早い女子学生がいたのです。後で話を聞いてみると品川女子学院の卒業生でした。

:うちの卒業生は、「誰か?」と言われたあと、シーンとする時間に耐えられず、ついつい挙手してしまうと言われています。中学に入学したころから「講師の前が空席だったらそこに座りなさい」「質問する人がいなければ、とりあえず手を挙げてから考えなさい」といった具合に、常に場に貢献するように言っていますので、その行動習慣が大学生になっても続いているということだと思います。

 当学院では「志(こころざし)・使命感」と「スキル」という2つの側面で教育を進めています。今お話しした話題は1つ目のほうですね。それに関連した話をしますと、私は生徒に「チャレンジを大事に」「失敗ともめ事をプレゼントします」としょっちゅう言っています。

永禮:「失敗ともめ事もプレゼント」とは、どういうことでしょうか。

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「「自主性が高い28歳女性」をつくる女子高の秘密」の著者

永禮 弘之

永禮 弘之(ながれ・ひろゆき)

エレクセ・パートナーズ代表取締役

化学会社、外資系コンサルティング会社、衛星放送会社などを経験後、2008年にエレクセ・パートナーズを設立、現在に至る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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