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報われずにはしご外されたら、そりゃ怒るよ

還暦越えた人生の諸問題・02

2017年9月7日(木)

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※久々の再開「人生の諸問題」、前回からの続きです
(聞き手:清野 由美、前回はこちら)。

小田嶋:一連の電通などにおける、「残業をやらなくても、利益は変わらなかった問題」の続きだけど、「残業をやめてみたら、大丈夫だった」ということは、全然あり得る話だと思いますね。たとえば甲子園に出るような高校野球のチームって、元旦以外は全部練習しています、みたいな話が多いでしょう。

:確かに、「正月は松の内が明けるまで、お休みにします」なんていう野球部は、甲子園レベルでなくたって、「とんでもない! もっと練習しろ!」というのが日本の通常の意識ですよ。

岡 康道(おか・やすみち)1956年生まれ。佐賀県嬉野市出身。80年早稲田大学法学部卒。同年、電通に営業として入社。85年にクリエーティブ局へ異動。99年7月クリエーティブエージェンシー「TUGBOAT」を設立。2004年 NYADC審査委員を務める。東京コピーライターズクラブ会員。NY ADC会員。LONDON D&AD会員。主なCM作品として、NTTドコモ、NTT東日本、サッポロビール、大和ハウス、キヤノン、富士ゼロックス、富士フイルムなど数々の企業ブランドキャンペーンを手掛ける。

小田嶋:そんなことをいったら、誰よりもまず親から突き上げを食らっちゃうでしょう。野球に限らず、高校の部活って、「朝練します、夜練します、土日も練習します」といった空気がある。

:最近は、そういうやみくもなやり方は違う、という風潮も出てきてはいるけれど。

血反吐を吐かずに強くなれるんだ!

小田嶋:ほら、広島観音高校(=広島県立広島観音高等学校)のサッカー部だったっけ? 2000年代後半に、ちょっと有名になったじゃないですか。そんなにばかみたいに練習をしないで、ちゃんと休んで、生徒に練習メニューを決めさせて、インターハイで全国優勝を果たしたケースが(2006年)。

小田嶋 隆(おだじま・たかし)1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。日経ビジネスオンラインで「ア・ピース・オブ・警句」、日経ビジネスで「パイ・イン・ザ・スカイ」を連載中

:根性論の対極でやってのけた。

小田嶋:日本では週7日、要するに1年のうち350日ぐらい練習するのが当たり前なんだけど、そんなものは200日で十分ですし、朝練もしません、練習メニューは生徒が決めます、といった、われわれからしたらウソみたいなやり方で、ちゃんと強くなっているという事実がある。

:たとえばアメリカ代表と日本代表が野球の試合をすると、高校生の場合は日本が勝つんだって。

小田嶋:その段階では日本が勝つ。でも、大学で抜かれる。ということは、練習漬けは結局、自己満足で、そんなにやる必要はないんだ、と。練習至上の夢というか、思い込みから目を覚まさないとだめなんだろうけど。

:先輩の練習が終わるまで、正座して待っているといった習慣は、残業とかなり似ていると思うよ。

小田嶋:広告代理店とかでは、そういう体質の人が、いまだに多いんだろう。

陸上と野球のマインドの違い

:ただ同じ運動部でも、僕たちが高校でやっていた陸上部では、そういう空気はなかったよね。

小田嶋:うん。なぜかというと、あれは団体スポーツじゃないから。

:休養も練習のうち、ということが、僕たちの時代からいわれていた。

(※僕たちの時代=1970年代。かれこれ40年前です)

小田嶋:大会前の1週間は、完全に休む。そうすると、体力が一時的に回復して、瞬発力が上がる。それを「たまりバネ」なんて呼んでいましたね。専門誌の「陸上競技マガジン」なんかには、当時から、乳酸値がどうするとこうなるとか、筋肉の何とかの組成とか、タンパク質、グリコーゲンがどうしたとか、運動生理学系の話がじゃんじゃん書いてあって、ほかのスポーツ雑誌とは全然違っていた。

:そう、栄養士が読むような内容だったね。

小田嶋:「とにかく根性」とかは書いてなかった。

:それで、陸上部は先輩・後輩の序列も、別に厳しくなかったじゃないか。

小田嶋:やっぱり団体競技じゃないからね。

:そこのところは大きい。負けたとしても、それは俺が恥をかくだけ、小田嶋が恥をかくだけ。だから、大会が近づいてもチームの結束とかなんとかは、関係なかった。

コメント6件コメント/レビュー

獣医学部規制を撤廃して自由に学部を作らせろと言うのなら、その資金は一から十まで自分の金か、個人又は営利法人からの寄付金で賄うべきでしょう。国や自治体の補助金を得ていながら、規制緩和と言うのは虫が良すぎませんか。
もし、それで作った学部が廃止にでもなったら、補助金は無駄になるが、その責任は誰が負うのでしょうか。まさか、議会の過半数で決めたのだから自治体全員の責任とは言いませんよね。(2017/09/08 09:11)

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「報われずにはしご外されたら、そりゃ怒るよ」の著者

岡 康道

岡 康道(おか・やすみち)

クリエイティブ・ディレクター

1956年生まれ。佐賀県嬉野市出身。80年早稲田大学法学部卒。同年、電通に営業として入社。85年にクリエーティブ局へ異動。99年7月クリエーティブエージェンシー「TUGBOAT」を設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

獣医学部規制を撤廃して自由に学部を作らせろと言うのなら、その資金は一から十まで自分の金か、個人又は営利法人からの寄付金で賄うべきでしょう。国や自治体の補助金を得ていながら、規制緩和と言うのは虫が良すぎませんか。
もし、それで作った学部が廃止にでもなったら、補助金は無駄になるが、その責任は誰が負うのでしょうか。まさか、議会の過半数で決めたのだから自治体全員の責任とは言いませんよね。(2017/09/08 09:11)

「休養も練習のうち」という言葉は、金言ですね。長距離バスやトラックの運転手だけでなく、国家公務員や学校の先生にも当てはまります。

そうしたら、官邸の補佐官等という高圧的かつ責任逃れの権化と会う時にはICレコーダーでしっかり音声録音するという知恵もついて、加計学園問題なんかとっくに解決してるでしょうにね。(2017/09/07 21:26)

細かいですけど高校野球でもアメリカの方が強いですよ。今ちょうどU-18のワールドカップをやってますが日本はいつもアメリカに負けてまし、優勝したことありません。(2017/09/07 20:44)

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