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20年間健康診断をすっとばした結果は?

小田嶋隆×岡康道対談 赤羽&入院編(その3)

2015年11月5日(木)

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(前回から読む

前回に続いて、小田嶋さん入院編です。前回は入院に至った壮絶な怪我話をうかがいました。

小田嶋:今回、この入院でよかったことが、糖尿病の発覚ということでした。

小田嶋さん、糖尿病だったんですか。

:今回の怪我がなければ、小田嶋は糖尿病が進んで、帰ってこられないところまでいっていた可能性があったわけです。

小田嶋:健康診断というものは、人間ドックも区の健診も、20年ほど全部すっ飛ばしていましたからね。

:だから、よかったわけだよ。

小田嶋:よくはない。ただ、怪我の治療に関しては、世間で思っているほど痛くはなかった。30年ほど前に、俺は右足の方を折ったことがあるんだよ。折った瞬間はもちろん痛かったけど、翌日、翌々日が「死ぬかも」というぐらい痛かった。その記憶があったから、今回も病院に運ばれた後、「これから3日後ぐらいに、もっとすごく痛いのが来る」と思って暗くなっていたのね。でも、その30年の間に医学の進歩があって、状況が全然変わっていた。

医学の進歩、恐るべし

:今は怪我の箇所を冷やすでしょう。

小田嶋:そう。冷却液が循環している冷却パッドを、怪我のところにずっと当てておく。摂氏6度の設定で、凍傷にはならないけど、最大限冷やしている、という状態で、極力腫れないようにしている。痛みの原因というのは、腫れなんだよね。腫れると内圧がかかるから、めっちゃ痛くなる。それを今回はなるべく腫れないようにして、腫れが引いたら手術というプランだった。ところが手術に向けて血糖値、血圧を測ったら、「この値は何ですか!?」ということになり、糖尿病がめでたく発覚した。

 糖尿の場合、手術で切った傷からばい菌が入ってしまうと、とても治りにくくなるんだって。この血糖値を下げないといけない、というのでインスリンをどんどん投与して下げて、手術の予定が3回延びた後に、ようやく手術をしたのが2週間後でした。

:糖尿病は失明しますからね。

小田嶋:幸い、帰ってこられない臨界点には達していなかった。

ここにいるみなさんは大丈夫ですか。

:僕は大丈夫です。

小田嶋:岡は検査マニアで、小まめに検査しているもんね。

:この間、人間ドックで肺活量を調べたんですが、そうしたら4000だと言われた。58歳平均って3100なんだって。だから4000って、かなり高い。ということは、たばこって体にいいのかなって、今ちょっと見直しているところなんだけど(笑)。

小田嶋:そんなことはないです。でも俺は、3週間で3.5キロ痩せているからね。

:お前はね、10キロぐらい落としても平気だよ。

小田嶋:とにかく糖尿病の食事というのがなかなかのもんだから。肉なんて、ほら、冷しゃぶみたいな、脂っ気とかそういうものが一切抜けた、ぱさぱさな感じ。あと、煮魚というものは、これは味付けはしているんでしょうか、みたいな。

:塩とか、かけちゃいけないんでしょう。

当然です。

小田嶋:でも、不思議なもんで、慣れるんだよね。今回の入院のハイライトというのは、私がニンジンとついに和解したことですね。

:だってニンジンが、もうメインディッシュなわけでしょう。和解しないとね。俺は耐えられないけどね、そんなことになったら。

(※注:退院後、この和平関係がどうなったかは、単行本『超・反知性主義入門』の261ページをお読み下さい)

 右の『超・反知性…』の元となった当サイト連載の「ア・ピース・オブ・警句」の筆者、小田嶋隆さん。当サイトでのもうひとつの連載が、2007年からはじまった日経ビジネスオンライン屈指の大河連載、この「人生の諸問題」です。
 ちなみに、小田嶋さんは既に無事退院済みで、先日は取材対応に赤羽の駅前まで自転車で出てこられました。担当としてはとっても心配でした…。さて、おかげさまでNHKや全国紙、スポーツ紙、夕刊紙などなどからインタビューが目白押し、書評でも大好評、増刷決定!の『超・反知性主義入門』。今回の記事の中でこれから触れる、入院期間のちょっと弱気な小田嶋さんのコラムも入っております。高校時代の同級生、森本あんり・国際基督教大学副学長との2万字に及ぶ「日本人と宗教、そして反知性主義」をテーマとした対談も読み処。それでは引き続き、清野由美さんのナビゲートで「人生の諸問題」を、のんびりまったりお楽しみ下さい。(Y)

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「20年間健康診断をすっとばした結果は?」の著者

岡 康道

岡 康道(おか・やすみち)

クリエイティブ・ディレクター

1956年生まれ。佐賀県嬉野市出身。80年早稲田大学法学部卒。同年、電通に営業として入社。85年にクリエーティブ局へ異動。99年7月クリエーティブエージェンシー「TUGBOAT」を設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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