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米朝首脳会談の先に潜む日米離間

「米国第一」への回帰に翻弄される日本

2018年3月12日(月)

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 トランプ米大統領が3月8日、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に応じると明らかにした。米安全保障政策を研究する川上高司・拓殖大学教授は、会談の先にあるシナリオのうち最も可能性が高いのは、核・ミサイル開発の凍結。それは日米の離間を促す可能性があると指摘する。

(聞き手 森 永輔)

首脳会談を決めた北朝鮮の金正恩委員長(左)とトランプ米大統領

ドナルド・トランプ米大統領が3月8日、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に応じると明らかにしました 。驚きました。

川上:実は私はあまり驚きませんでした。

え、そうなのですか。なぜでしょう。

川上:論理的に考えて、米国、北朝鮮、韓国それぞれに得るものがあるからです。

川上 高司(かわかみ・たかし)氏
拓殖大学教授
1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。(写真:大槻純一)

 まず北朝鮮の事情からお話ししましょう。北朝鮮は平昌(ピョンチャン)パラリンピックが終了した後に予定されている米韓合同軍事演習をなんとしてでも中止させたい。この軍事演習は北朝鮮にとって切羽詰まった脅威だからです。米国が北朝鮮を先制攻撃する最大のチャンスになる可能性がある。

 北朝鮮が米本土に届く大陸間弾道弾(ICBM)を完成させれば、米国は先制攻撃をしづらくなります。一度の攻撃で、北朝鮮が保有するすべての核兵器を破壊できなければ、米本土が報復攻撃されるからです。米国が「そうなる前に先制攻撃をする」と考えてもおかしくありません。

 演習中はさまざまな戦略兵器を朝鮮半島の周辺に動員します。米軍はそのまま、先制攻撃に移ることができる。北朝鮮は米国がこのチャンスを生かす可能性があると恐れています。

 既に決まっている南北首脳会談に続けて米朝首脳会談が行われれば、少なくともその間、米韓合同軍事演習を先送りさせることができる。北朝鮮はその間に、米本土に届く大陸間弾道弾(ICBM)の開発を進めることができるわけです。

 北朝鮮としては、ICBMを完成させ最小限抑止を実現した上で、核保有国として米国と協議することが最善であるわけですが、この首脳会談の機会を生かさない手はありません。

韓国にはどのようなメリットがあるのですか。

川上:米国が先制攻撃をすれば、北朝鮮の報復を受けソウルが火の海になる公算が大きい。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、そのような事態は避けなければならない。また、彼の悲願である南北統一に向けて前進することができると考えているのでしょう。

 加えて、米朝首脳会談の仲介役を果たすことで、文在寅氏は株を上げることができます。

 このように、米韓合同軍事演習の延期もしくは中止について、北朝鮮と韓国は完全に利害が一致しているのです。南北首脳会談を4月末に設定したのもこのためです。この時期は、本来なら演習がピークに達する時期です。南北首脳会談が開かれていれば、米国はその間、先制攻撃に踏み切ることができません。

米国にはどのようなメリットがありますか。

川上:米朝首脳会談の結果、北朝鮮が核兵器の開発と保有を完全に放棄することが あればノーベル平和賞ものです。会談に応じる価値は十分にある。

コメント11件コメント/レビュー

現状は、米中宥和の方向にあるという御高説を伺って、それ以上読み進む気力が失せました。
米中宥和という視点に立てば、日米離間も何も、何でもありの世界です。
インタビュー相手を厳選して戴きたいと思いました。(2018/03/13 09:43)

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「米朝首脳会談の先に潜む日米離間」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

現状は、米中宥和の方向にあるという御高説を伺って、それ以上読み進む気力が失せました。
米中宥和という視点に立てば、日米離間も何も、何でもありの世界です。
インタビュー相手を厳選して戴きたいと思いました。(2018/03/13 09:43)

話が頓珍漢です。

筆者は潜在的に日米同盟が希薄になる事を望んでいる様ですが世の中はそんなに甘くありません。
北朝鮮核の凍結及び容認は有り得ない話です。
北の核を認めてしまったらそこから核拡散が始まります。
インドやパキスタンは自国安全保障の為に核を保有しましたが、核拡散の意思はありませんし実際にも拡散していません。
しかし北に核の保有を認めてしまったらイランなどの反米国家に核が流れるのは時間の問題です。
アメリカは「朝鮮半島の非核化」以外は絶対に認めません。
北は逆に核を絶対に手離しません。
従ってトランプは第二次朝鮮戦争を起こす口実として米朝会談を考えているふしがあります。
現状で一番高い確率は第二次朝鮮戦争です。

アメリカは中国と握っていて金正恩以後の北朝鮮を中国に押し付けるつもりでいます。
勿論核の処理は全部中国がやります。アメリカがやらせると言っても良いです。
アメリカは1993年のヨーロッパ冷戦終結時にウクライナの核をロシアに処理させた実績があります。
北が中国にとって都合の良い国だったのは核を持たないからでした。
核を持った北は中国にとって厄介な国です。
中国にとって都合の良い国に北を戻す事に中国は躊躇しないでしょう。

北の核を凍結したらアメリカは無関係でいられると思う方がどうかしています。
反米第三国が北の技術で超小型核を開発してワシントンで自爆テロをやったらこの世の破滅です。
北の核を凍結するという事はそう言う事です。

この程度の事は理解してから記事を書いて下さい。(2018/03/12 23:56)

こういう説をとる学者や評論家が一定数いることは確かだ。
だが「米中は宥和の方向」とか、学者ならもう少し具体的な論拠を出さなければ、単なる“陰謀論”的な脅しにしか聞こえない。
“学者なら”というのは、たとえば、もし日米のカップリングが分解した場合、日本の進路としてはあくまで孤高を保つのか、TPPなどを通じてインド太平洋地域の盟主を目指すのか、あるいは中国と連携するのか、さまざまな考えられるが、どれが最も蓋然性が高く、また国益に資するのか。 そういう話を聞かせてくれないと、母親が子どもに「お父さんに捨てられるわよ」と意味無く脅しているのと変わらない、ということである。(2018/03/12 21:06)

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