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イアン・ブレマー氏が占う英国EU離脱後の世界

「Gゼロ」の混乱、10年は続く

2017年3月31日(金)

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3月29日、英国はEU(欧州連合)に対して正式に離脱を通知した。英国の離脱は、大国主導の統治体制からリーダー不在の時代への突入を意味する。『日経ビジネス』では、英国が国民投票によりEU離脱を決定した後の2016年7月に、国際政治学者イアン・ブレマー氏に話を聞いた。同氏が予測する新しい世界の姿とは。
イアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏
米国際政治学者。1994年米スタンフォード大学で博士号を取得。25歳で同大学フーバー研究所の史上最年少研究員に。98年にシンクタンク、ユーラシア・グループを設立し、政府系機関や金融機関、多国籍企業など約300の顧客を抱える。(写真=Mayumi Nashida)

英国のEU離脱をどう位置付けていますか。

イアン・ブレマー氏(以下、ブレマー):私がシンクタンクを設立した1998年以来で最大の地政学リスクだと考えている。戦後、世界は米国1極の『G1』から、先進国の『G7』、中国やインドを交えた『G20』体制へと極を分散させてきた。そして今や世界に圧倒的なリーダーが存在しない『Gゼロ』の時代に入った。英国のEU離脱はその象徴的な出来事だ。

 2001年に米同時多発テロが起きた当時、米国はまだ世界への影響力があり、リーダーシップを発揮してテロ対策を先導した。2008年の金融危機時も、力は弱まりつつあったが、米国を中心に国際的に連携し、金融・財政の両面で対策を打った。

 今回は事態を収束する国が見当たらないどころか、英国に続こうとする勢力が増えている。金融市場や世界経済のマイナス要因だけと考えず、欧州全体が長期間にわたって脆弱な状態に陥る、地政学リスクとして捉えるべきだ。すぐに効き目の出るような対策は存在しないため、この先5年、10年はかかる息の長い対応が求められることになる。

欧州は解体の道へ向かっているということでしょうか。

ブレマー:残念ながら国家を超えて共通の価値観でまとまるという実験は失敗に向かっている。今や大欧州の崇高な理念は風前のともしびであり、もう元には戻らないだろう。

 一方で、経済面での結びつきが弱まることはない。EUの単一市場はなくならないだろうし、経済統合プロセスは今後も続くだろう。

 EUは拡大を急ぐあまり、ロシアやトルコに拙速に近づきすぎた。EUと彼らでは政治理念や経済価値が違いすぎる。そのひずみが、中東から大量に押し寄せる難民問題や、欧州各国で頻発するテロとなってEUを混乱させた。

コメント4件コメント/レビュー

Gゼロの世界が今後しばらくは続くのだろうが,EUがまいた「大欧州」の種は人々の心に残るのではないか。そして,いつか「EU市民」ではない「大欧州市民」としての意識の広がりが「大欧州」の理想を実現するだろう。その時にはもはや世界に「G」が意味を持たなくなっているだろう。ゼロでも20でも関係ない世界。どんな世界かを想像するのは楽しい。「対立感」から「融和感」へ世界が明るくなっていくことを夢見たい。(2017/04/14 15:18)

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いただいたコメント

Gゼロの世界が今後しばらくは続くのだろうが,EUがまいた「大欧州」の種は人々の心に残るのではないか。そして,いつか「EU市民」ではない「大欧州市民」としての意識の広がりが「大欧州」の理想を実現するだろう。その時にはもはや世界に「G」が意味を持たなくなっているだろう。ゼロでも20でも関係ない世界。どんな世界かを想像するのは楽しい。「対立感」から「融和感」へ世界が明るくなっていくことを夢見たい。(2017/04/14 15:18)

選挙で選ばれたわけでもないローマ法王や企業家のリーダシップに期待すると言う事は
究極的には民主主義よりも専制国家を望むという事になりますね。(2017/03/31 10:02)

 こういう時こそマルクス主義での術語を思い出してみよう。つまり「絶対的貧困」と「相対的貧困」。
 たしかにトップに富が集中しつつも、中間層全体はかさ上げされた。ただ、同時に引き起こされた物価の高まりが、相対的な貧困を作り出し、現在もなお拡大しつつある。
 ここいらへんをよく考えてみたほうがいい。もちろんいくつかの意見はある。たとえば「幸福だったらいいじゃないか」とか「(国の貧しさは)民間へ金が流れているから」とか。
 結局行き着く先は会計の仕組みそのものへ向かわざるを得ないだろう。現在言われている、人件費の高まりや環境への投資といった課題にたいし、最終的には投資効果という側面から、甘えではない形で全体に利益を広げる仕組みをどうするか、といったさらに合理的なシステム的な方法が考え出されねばならい。

 結局、資本主義の否定になるんだが、ただ否定すれば万事オーケーにはならないんだけどね。(2017/03/31 09:27)

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