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三菱商事社長「燃費不正に愕然としている」

三菱自動車問題からローソンまで事業経営を語る

2016年4月28日(木)

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 今年4月に三菱商事の社長に就任した垣内威彦氏。資源事業における巨額の減損損失で2016年3月期は初の赤字に陥る見込みであることに加え、支援してきた三菱自動車で燃費不正が発覚して厳しい船出となった。一方、同社は筆頭株主のローソンへの関与を強め、非資源分野の拡大を目指す。今後、力を注ぐという「事業経営」について語った。

垣内威彦・三菱商事社長
(かきうち・たけひこ)
1955年7月生まれ。79年、京都大学経済学部卒業後、三菱商事入社。飼料畜産部や食糧本部などを経て2004年生活産業グループCEOオフィス、2006年同室長、2008年農水産本部長、2010年執行役員。2011年生活産業グループCEOオフィス室長兼農水産本部長、2013年常務執行役員・生活産業グループCEO。2016年4月1日より現職(写真:竹井俊晴)

2016年3月期は、資源事業の減損損失によって1500億円の最終赤字に転落する見通しです。厳しい船出となりましたが、社長就任当初から三菱商事の経営の軸足を「事業投資」から「事業経営」へと移すと強調されています。まず、そもそも「事業投資」と「事業経営」は何が違うのですか。

垣内:会社の歴史をさかのぼると、最初の商売はトレーディングから始まりました。メーカーの商品を扱ったり、原料を扱ったりしたわけですが、その後、取引先との関係が深くなって、出資をしたり、共同で事業に投資をしたりという流れがありました。ただし、それは取引先の成長だけを願って投資をするというより、原料が上手く売れますように、商品をうまく販売できますようにという複合的な狙いがありました。もちろん、それが悪いというわけではありませんが、取引先の経営に積極的に関与するという発想が乏しかったことは否めません。

 事業投資から事業経営へ、と言うことを強調しているのは、投資するだけではなくて、投資先の企業の経営に積極的に参画して、投資先の経営力を強化することで、事業をより大きく発展させようという思いがあるからです。そして、三菱商事はそこから得られるリターンを正当な範囲でいただいていく。既に、方向性としてはそういう段階に入ってきています。

三菱自動車の不正、詳しい報告を待って対応決める

「事業経営」と言う意味では、燃費不正が発覚した三菱自動車への出資、ならびに経営陣など人材の派遣も、三菱商事による事業経営の1つですね。不正が発覚して三菱自動車の経営を大きく揺るがす事態に発展していますが、現時点で三菱商事による事業経営の成果をどのように評価していますか。

垣内:これまでグループの中で、適材適所と言うことで支援してきました。直前のところまでは非常に順調に来ていたのですが、思いもよらない状況になり、コンプライアンス(法令順守)に相当するような話にもなっていて、非常に愕然としています。

 今後の対応については、どういう問題が起こったのか原因をまだ理解できていないので、まずは報告を待って、考えるべきところは考えていきます。

三菱商事は、特にアジアを中心に三菱自動車の海外展開に深く関与しています。

垣内:そうですね。特に海外展開のところで三菱商事の経営資源を使っていこうというミッションは当初からありましたし、それなりの成果は出せてきたと理解しています。

 ただ、今回の不正は、真相がまだよく分からないので、まずは原因をよく理解してから対応を考えたいと思います。

どれくらいの損失が出るのかも分からない。

垣内:そうですね。なぜあんなことが起こるのかと言うことも含めて、一般論としては理解が及ばないような事態ですので、詳しく報告をいただいてから、考えていきたい。

もし、救済が必要な事態に陥ったら、過去のように支援をすることを考えていますか。

垣内:ですから、繰り返しになりますが、まずは現状をよく認識してから、色々な意味で対応を考えるということになります。「仮に」ということで前提状況をすべて外してどうするのかという質問には、答えようがありません。申し訳ありませんが。引き続き、状況を注視していきたいと思います。

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「三菱商事社長「燃費不正に愕然としている」」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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