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「空飛ぶタクシー」を呼べる日は近づいている

独リリウム・アビエーション共同創業者に聞く

2017年5月10日(水)

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リリウムが開発中の小型飛行機。離着陸と飛行には36個のモーターを使う

開発中の小型飛行機は、独特のデザインをしています。

マイナー:我々の目指すコンセプトに理想的な機体は何かを考え抜いた結果、誕生したデザインです。

 まず、タクシーのように飛行機を利用するためには、どこでも離着陸できる必要があります。いちいち滑走路が必要になっては、利便性が落ちますからね。ですから、機体は垂直の離着陸(VTOL:vertical takeoff and landing)が可能な設計にする必要がありました。

エンジンの代わりに36個のモーター

 VTOLの機体開発は現状、ヘリコプターのように、エンジンでプロペラを動かして浮揚する方法が一般的ですが、我々はその代わりに独自の機構を導入しました。36個の小型モーターを採用するもので、我々は電子エンジンと呼んでいます。

 それぞれモーターにはファンがついていて、離着陸の際には高速回転したファンが全て下向きになり、浮揚する力を得ます。飛行の際には、電子エンジンは水平方向に向き、飛行の動力源となる仕組みです。英国が1960年代に開発した戦闘機のハリアーのようなイメージですね。

 我々の開発した電子エンジンの利点の一つは安全性の向上です。電子エンジンは機体のダクト内に収まっているので、ファンが直接何かに触れることはありません。 大きなプロペラを使った機構に比べて、鳥を巻き込んで機体が損傷するリスクは減らせます。36個のモーターの一部が壊れても、残りのモーターで、飛行が継続できるように設計されています。

 もう一つの特徴は、機体のエネルギーはすべて電気で動くという点です。将来的にはタクシーのように気軽に利用できる交通システムを考えれば、機体は無数に配置しなければなりません。環境への負荷を考慮すると、電動化は必須の条件でした。重量のかさむバッテリーを搭載する必要があるというデメリットがありましたが、尾翼をなくすなど、全体のデザインを見直し極力軽量化することで、それを補っています。

 こうした結果、現在の機体がデザインされました。想定速度は、時速300キロ程度。設計通りの速度が出れば、例えば米ニューヨークのマンハッタン中心部からJFK空港まで約5分で到着します。

個人的には、まだ突拍子もないアイデアのように思えるのですが…。

マイナー:確かに、ダニエルに最初このクレージーな構想を聞かされたときは、私も軽い冗談だと思いましたよ。しかし、彼の構想と情熱を聞いていると、次第に挑戦意欲が沸いてきました。

 当時、私はミュンヘン工科大学でロボット工学の博士課程にいましたが、最終的にはそれを中断して、彼のクレージーなアイデア実現に手を貸すことにしました。他の創業メンバー2人も同じですが、今はそれぞれの専門分野の知識を持ち寄って機体開発を進めています。

 ちなみに、機体のメカニカルエンジニアリングを担当するセバスチャン・ボーンは機械工学の専門家であり、機体デザインを担当するパトリック・ネイサンは航空力学に精通しています。

ロボット工学と飛行機の開発は関係するのですね。

マイナー:関係するどころか、現在開発中の小型飛行機はロボット開発そのものと言ってもいいです。センサーやレーダーを駆使して周囲の状況をリアルタイムに情報収集し、解析して機械を動かすという行為の本質は、飛行機もロボットも同じです。

 今後は、AI(人工知能)の技術が導入されていくでしょうし、すべてがネットワークにつながるようになります。飛行機であれロボットであれ、IoT(モノのインターネット)の構成要素となることに変わりはありません。

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「「空飛ぶタクシー」を呼べる日は近づいている」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師