Winter Festa2017-2018

操作されるランキング、僕ならこう戦う

「皆がお金を張れば、儲かるのは広告会社だけ」UIデザイナー深津貴之氏に聞く“ブースト”問題

 App StoreやGoogle Playにおけるリワード広告によるランキング操作。いわゆる「ブースト」と呼ばれる手法には、数多くのプレイヤーが関わることになる。広告出稿主であるアプリ開発者、アドネットワークや広告代理店、お小遣いアプリ運営会社。お小遣いアプリを使うユーザーと、最終的にランキングを見てアプリをダウンロードするユーザー。こうした多くのプレイヤーやユーザーを巻き込んで、ランキング操作は“実現”する(参考記事:スマホアプリ、操作されるランキング)。

 舞台となるのは、アップルやグーグルといったプラットフォーマーが用意したマーケットだ。元NTTドコモの夏野剛氏は、リワード広告によるランキング操作について、プラットフォーマーの責任も大きいと話す(参考記事:「問われるのはアップルの哲学」元ドコモ夏野氏に聞くランキング操作問題 )。

 一方、自らの手を動かしてアプリを作るエンジニアはそうした“ビジネス”をどう見ているのか。2008年にいち早くiPhoneアプリの開発を始め、「ToyCamera」などをヒットさせたUIデザイナーの深津貴之氏に、現在のアプリマーケットについて話を聞いた。

撮影:的野弘路(以下、同じ)

現在のリワード広告やそれによるランキング操作について、率直なご意見をお聞かせ下さい。

 どのような側面から考えるかによって、答えは違ってくると思います。「生き様」とか「ポリティカル・コレクトネス」といった側面から考えれば、「ナシ」という答えになりますね。

 一方、ビジネスの側面から考えるなら、法律と規約に触れていなければありだと思います。ルール内で最適化した結果が、リワード広告だったということでしょう。

 とはいえ、規約に触れているプレイヤーもいるようですから、やりすぎはプラットフォーム側が「蛇口をしめましょうね」という話になると思います。実際、規約違反がある部分に関しては、アップルやグーグルが今、リワードを閉め出そうと動いているようなので、それは正しい方向だと思います。

先日、深津さんが制作されたプロフィール画像作成アプリ「chappie」も、ブースト攻勢によって、10位以内に入っていた順位が、みるみるうちにランキング外に落とされました。

 僕個人はドライな人間なので、仕方ないのかなと思う部分もあります。ただ、こうしたやり方がまかり通ることで、小さなプレイヤーや素人にはチャンスが少なくなりますね。個人が作ったアプリが世界を獲れる時代もありましたが、そのチャンスは今やかなり「狭き門」かなと思います。

バックナンバー

著者プロフィール

染原 睦美

染原 睦美

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

閉じる

いいねして最新記事をチェック

アクセスランキング

記事のレビュー・コメント

レビューレビューを投票する

とても参考になった
 

71%

まあ参考になった
 

14%

参考にならなかった
 

14%

ぜひ読むべき
 

66%

読んだほうがよい
 

0%

どちらでもよい
 

33%

いただいたコメントコメント0件

コメントを書く

閉じる