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スポーツには新たな産業の主役になる力がある

野村総合研究所の石井宏司・上級コンサルタントに聞く(前編)

2015年12月1日(火)

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 ラグビーワールドカップ(W杯)イングランド大会における日本代表の活躍は、日本中に熱気と興奮をもたらした。

 2019年にはそのラグビーのW杯が、翌2020年には東京オリンピック・パラリンピックが国内で開かれる。相次ぐビッグイベントの開催で、欧米に比べ、規模が小さいとされてきた国内のスポーツビジネス市場も成長・拡大の絶好のチャンスを迎える。

 スポーツビジネスが持つ可能性をどう切り開き、持続的に発展していく産業として育成すべきか。新規事業のコンサルティングを手掛け、スポーツビジネスの動向に詳しい石井宏司・野村総合研究所経営コンサルティング部上級コンサルタントに話を聞いた。

 石井氏は、日経BP社が12月4日に初めて開催するスポーツビジネスのシンポジウム「Sports Innovation Summit 2015」の2つのパネルディスカッションでモデレーターを務める。

(聞き手は中野目純一、構成は小林佳代=ライター/エディター)

(写真=FAR EAST PRESS/アフロ)

2019年にはラグビーのワールドカップが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。相次ぐビッグイベントの開催で、企業のスポーツビジネスへの関心も急速に高まっています。石井さんはこうした動きをどう見ていらっしゃいますか。

石井:東京オリンピック・パラリンピックは企業の格好の投資先になりましたね。この20年ほど、日本経済の低迷が続く中、企業は投資をシビアに見極める傾向が続いていましたが、利益が出ればどこかのタイミングで何かに投資することが必要です。そういう企業の前に現れたのが東京五輪でした。

 五輪というのは何社もの大企業が共同でスポンサーになるスタイルですし、日本経済の活性化にもつながる。良い投資先を探していた企業からすると、安心かつイメージアップにつながる絶好の投資対象だったのでしょう。

 日本の名だたる大企業がスポンサーとなり、50億円、100億円という巨額の資金を拠出しています。無意識のうちに、これまで我慢していたものを一気に発露した。そんな側面があるように感じています。

おっしゃるように五輪に関してはスポンサーという立場での関わりが中心になりますが、それとは別に、企業が本業を通してスポーツビジネスに関わる動きも増えていますね。

石井:そうですね。「消費者の喜び」に直結する商材として企業がスポーツに目を向けるようになったからでしょうね。

消費者の喜びというと?

石井:今の企業は消費者が喜ぶものを提供しづらくなっています。私自身、新規事業のコンサルティングをしていますが、その点が非常に難しいと感じています。

 経済発展とともに巷にはモノがあふれるようになりました。消費者のモノを見る目も肥えて、「性能が良い」「デザインが良い」といった要素ではもはや心に響かない。ドキドキしなくなっているのです。

 以前は違いました。「勤め始めて給料をもらったらラジカセを買おう」「ボーナスが出たらクルマを買いたい」という具合に、消費者の買う喜びと企業のビジネスがダイレクトに直結していました。

 「何を提供すれば消費者を喜ばせることができるのか」と模索する中で、企業はスポーツに注目するようになった。スポーツビジネスに関わる企業が増えてきた背景には、そういう構造があると考えています。

スポーツを媒介にすると、どうして消費者の喜びを呼び起こすことができるのでしょうか。

石井:カギとなるのは「主体性」です。

 モノがあふれている。情報が過多である。そういう中で、消費者間では「何を買えばいいのか分からない」と戸惑う傾向が出ています。

 例えば、クルマを買おうと思っても、インターネットで検索すれば10万件ぐらいヒットします。自分の意思で選ぼうにも、モノも情報も多すぎてどれにしたらよいのか分からなくなってしまう。消費者が消費行動をする上で主体性を持ちづらい状況が続いてきたのです。

 先行きが不透明で老後の心配がある消費者は、主体性を持ちづらい消費にお金をかけるより、むしろお金を貯めておいた方がいいという判断に傾きがちです。この状況を「経済的引きこもり」と私は呼んでいます。

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「スポーツには新たな産業の主役になる力がある」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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