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かんぽ生命は「ビジネスエンジニア」を育てる

「若い人にもっと世界を知ってもらいたい」

2016年12月26日(月)

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井戸潔・かんぽ生命取締役兼代表執行役副社長(右)と日高信彦・ ガートナー ジャパン代表取締役社長(写真:的野 弘路、以下同)
「ビジネスエンジニアを育てていかないとこれからは駄目だ」。かんぽ生命の井戸潔取締役兼代表執行役副社長の持論である。ビジネスエンジニアとは、新たなビジネスの仕組み作りができる人。ビジネスの目利きができ、変化や動きを察知し、必要なら技術を取り入れ、試行錯誤しつつも、新しい何かを作り上げる。そうした人材を他流試合やプロジェクトを通じて育成していくという。人材戦略についてIT(情報技術)リサーチ大手ガートナー ジャパンの日高信彦代表取締役社長が聞いた。
前編:『かんぽ生命、一番難しい仕事にワトソン入れた訳
中編:『かんぽ生命、人や態勢・体制などすべて変えたい
(構成は谷島宣之=日経BPビジョナリー経営研究所研究員、中村建助=日経コンピュータ編集長)

日高:IBMの意思決定支援システムWatsonをビジネスの中核である支払い業務に利用していく。2017年1月から、保険業務を処理する新しい基幹系システムを更改予定。新たな挑戦としっかりした基盤づくり、かんぽ生命は両方に取り組んでいる。今後は新たな挑戦が増えると思います。その辺りの態勢・体制や人材についてどうお考えですか。

井戸:新しい価値観や発想、新しい仕事のスタイル、やり方を持った人間を、これからどう社内で育成していくのか。非常に大きな課題になっています。一つの手として、今年4月から経営企画部の中にイノベーション推進室を新設しました。

 自由な発想で新しいことを考え、やりなさいということです。そういう組織を置くことによって、会社のこれからの姿勢を示したわけです。社内のビジネス部門から人を集めています。システム部門からも1人ですが送りました。

日高:ビジネスのイノベーションを考えるのであれば、ビジネス人材が取り組むことになると。

井戸:「ビジネスエンジニア」を育てていかないとこれからは駄目だと思っています。私は勝手にこの言葉を使っています。「ビジネスエンジニアだ」と言ったら、みんながきょとんとして「それって何だ」と言っていましたが。

 要は新しいビジネスの仕組み作りができる人です。ビジネス主導で考えて、必要であればツールとして情報システムや新しい技術を使う。システムありきではなく、業務ありきとでも言いましょうか。

 ビジネスの目利きができる人ですね。何らかの変化や動きを察知して、必要ならそこに技術を加味して、新しい何かを作り上げる。エンジニアと呼ぶ以上、仕組みをきちんと作ってもらう。ただ、必ずしも情報システムを開発しなくてもいい。

日高:実際にはITは不可欠でしょう。開発するかどうかはともかく。

井戸:でしょうね。新しいビジネスを作るためにツールとして、ある情報システムを使ってみる。駄目だったら次の手を試す。こういうやり方にしないと、イノベーションと呼べる新しい取り組みをやり切れないのではないでしょうか。今まではどうしてもシステム先行型になりがちで、「こういう商品を作るのでしたら、こういうシステムを作りましょう」という流れで来ていたと思います。

試行錯誤を繰り返し新しい事業分野を切り開く

日高:トライ&エラーでやっていくということですね。

井戸:そういう世界だと思います。パイロットプロジェクトという発想ですね。新しいことはそういう価値観を持った人たちが作り上げていくことになるでしょう。一方、業務を処理する基幹系システムの世界は正確であるとか期限厳守とかが大事で、トライ&エラーがなかなか許されないところがあります。

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「かんぽ生命は「ビジネスエンジニア」を育てる」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

中村 建助

中村 建助(なかむら・けんすけ)

ITpro編集長

日経デザイン、日経ストアデザイン、日経コンピュータ、日経ソリューションビジネス編集長、日経エコロジー編集長、日経ビジネス副編集長などを経て、2012年よりITpro編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官