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「爆買い」にはもう頼るな

インバウンド消費の狙いは「娯楽・サービス」へ

2016年1月12日(火)

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 2015年の訪日外国人客数は2000万人にあと一歩という水準まで増加した模様だ。そのうち約4分の1を占める中国人観光客の「爆買い」は2015年の流行語にも挙げられ、全国各地で大量の買い物をする中国人の姿がテレビなどで報じられた。

 インバウンド消費が小売業にもたらした効果は大きいが、「中国人の爆買い頼みのままではいずれ限界が来る。外国人観光客にもっと娯楽・サービス分野でお金を使ってもらえるような戦略を考える必要がある」と、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの火浦俊彦会長兼パートナーは指摘する。

(聞き手は西頭 恒明)

2015年の訪日外国人客数は大台の2000万人にあと一歩というところまで達したようです。中国人観光客の「爆買い」は小売業を中心に恩恵をもたらしていますが、火浦さんは昨年のインタビューで「インバウンド増に“死角”あり」と語っていました。今も、その考えは変わりませんか。

火浦:そうですね。このインバウンド客の増加自体、急速に経済成長を遂げている近隣諸国の方たちが、円安の追い風に乗って多く訪れているという要因が大きく、日本が戦略的に観光政策を打ち出して伸ばしたものとは言えません。

火浦 俊彦(ひうら・としひこ)氏
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン会長兼パートナー
東京大学教養学部卒業、米ハーバード大学経営大学院修士課程(MBA)修了。日本興業銀行を経てベインに参画。25年以上にわたり、消費財、流通、自動車、不動産、建設、投資ファンドなど、幅広い業種で日米欧の企業に対するコンサルティング活動に携わる。大規模な企業変革に対し、クライアントと共にチームを編成し長期間関与するケースが多い。直近では企業のM&A(合併・買収)に数多く関わり、企業の統合支援にも深く関与している。2008年1月から2014年3月までベイン東京オフィス代表。2014年4月より現職。

 中国人客の爆買いにしても、それが日本ブランドのものでもメード・イン・チャイナの製品だったり、偽ブランド品の心配がない日本の百貨店などで欧米ブランド品を買っていたりといったことが少なくないようです。

自国では買えないから、日本に来るだけ

爆買いした人が使ったカネが最終的に全部、日本に落ちるとは限らないわけですね。

火浦:そうですし、今は中国人をはじめとするアジア近隣諸国の人たちが自国で手に入れたくても入れられない商品が日本に来ればあるから、来日して買っていくのです。この先、そうした商品が自国でも手に入るようになれば、わざわざ日本へ買い物に来る必要はなくなります。

 ですから、いつまでも爆買いに頼っていてはやがて限界が来ます。それより、日本にしかない魅力について、その背景やストーリーを示しながら外国人を引き付けられれば、今後も安定的にインバウンド客を伸ばせるだろうと思います。実際、外国人観光客は日本の持つ文化や歴史に非常に関心を持っています。

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「「爆買い」にはもう頼るな」の著者

西頭 恒明

西頭 恒明(にしとう・つねあき)

日経ビジネス副編集長

1989年4月日経BP社入社。「日経イベント」を経て、96年8月「日経ビジネス」編集部に異動。2008年10月日経ビジネス副編集長。2009年1月日経情報ストラテジー編集長。2012年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師