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中国経済の病巣、国有企業改革は進まない

2016年1月19日(火)

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急激な株安を初めとした激震に見舞われる世界経済。その震源の1つが中国経済への先行き懸念だ。しかし、不安の元にある「投資」「設備」「債務」の3つの過剰を生み出している国有企業の改革には手が着かない。国有企業と3つの過剰問題の現状を、ニッセイ基礎研究所の三尾幸吉郎・上席研究員に聞いた。

(聞き手は田村 賢司)

三尾幸吉郎(みお・こうきちろう)氏
1982年、日本生命保険相互会社入社。国内債券の運用などをへて、94年に米国のパナゴラ投資顧問出向。米国債券運用を担当し、2000年からニッセイアセットマネジメントで、内外債券と外国為替の運用を行う。2009年から現職

中国の景気減速に懸念が広がっています。どう見ていますか。

三尾:消費は悪くはないですね。小売売上高は、昨年4月に底を打った後、回復に転じ、同11月には前年同月比で11.2%増になりました。建設などの固定資産投資は、長期的には右下がりの低空飛行ですが、同10月からやや回復している。言われているよりは少しいいようだけど、先行きの動向を示す製造業PMI(予想指数)は、12月まで2カ月連続の50%割れです。足元はやや小康状態ですが、将来は厳しいといったところです。

非製造業はどうですか。

三尾:こちらはずっと50を超えて、いいですね。中国も賃金が上がり、人民元高が続いて輸入品が安くなってきたせいでしょうか。先ほどの消費がまずまずなのと同様ですね。

 それと、電子商取引のアリババや通信のシャオミなど、新たな成長企業も育っている。政府がブロードバンド化を進めたり、物流網の整備に力を入れてきたりした事が効いているのでしょう。

投資主導で景気を押し上げている

それでも懸念が根強い理由の1つに国有企業の3つの過剰問題があります。過剰投資、過剰設備、過剰債務ですが、改善は進んでいないようですね。

三尾:確かにそうですね。まず、過剰投資から言うと、住宅投資、設備投資、公共投資などの総固定資本形成は2013年で、GDP(国内総生産)の45%に達し、主要国の中では群を抜いて高い状態です。日本や米国の2倍以上、第2グループの韓国やインド、インドネシアでも30%程度です。消費が伸びてきたと言っても、なお投資主導で景気を押し上げていると言えます。

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「中国経済の病巣、国有企業改革は進まない」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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