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ガバナンス改革、機関投資家にも進化が必要

西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士に聞く

2017年1月25日(水)

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[おおた・よう]西村あさひ法律事務所パートナー。クロスボーダーM&Aやコーポレートガバナンス、コンプライアンスなどを中心に企業法務全般を手広く手がける。1991年東京大学法学部第二類卒業、1993年第一東京弁護士会登録。2000年米ハーバード・ロースクール修了、2001年ニューヨーク州弁護士登録。日本取締役協会コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー審査委員、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループメンバーなど。

 日本でのコーポレートガバナンス改革が進みだした背景には、2つの「コード」の存在がある。1つが、2015年に導入された「コーポレートガバナンス・コード」。そしてもう1つが、2014年に策定された機関投資家の行動原則となる「日本版スチュワードシップ・コード」だ。

 後者のスチュワードシップ・コードは近く改定が予定されており、そのための議論・準備が進んでいる。それに伴い、日本取締役協会は1月10日に同コード改定に関する提言を発表した。その背景や機関投資家サイドの課題などを、提言のワーキンググループの中心メンバーの一人で、コーポレートガバナンスに詳しい西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士に聞いた。

日本版スチュワードシップ・コードの改定に向けた議論が活発になってきています。まず前提として、スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードが日本で果たしてきた役割について、どのように評価していますか。

太田:2つのコードの「母国」ともいえる英国では、そもそもそれらが一体のものとして存在していました。スチュワードシップ・コードは投資家に企業との建設的な対話を、ガバナンス・コードは企業が投資家の声をきちんと受け止めるよう求めています。そうして投資家と企業の間に対話の循環を作ることで、中長期的な企業価値の向上を狙うという意味で、2つのコードはクルマの両輪のような位置付けになります。

 2つのコードを通じ、企業にも機関投資家との建設的な対話が重要だという意識が根付いてきましたし、機関投資家サイドでも体制が整備されました。その意味では、まずは土俵作りは終わったといえるでしょう。

 意識は変わり、順調にガバナンス改革も進んできています。ただ、制度が生まれてから間もないこともあり、企業・機関投資家の双方がどのように対話を行うべきかに慣れておらず十分に機能していないところがあるのも事実です。

 スチュワードシップ・コードはもともと3年目で見直すことになっていました。両者の対話がより建設的なものになるように、コードも時代や外部環境に応じて継続的にアップデートしていく必要があると考えています。

ガバナンス改革については、報道も含め企業側の動きばかりに注目が集まる傾向があります。

太田:企業側からは「機関投資家と対話しても、四半期業績など近視眼的な話ばかりを聞かれて、中長期的な改革につながる示唆を得られない」といった声がよく聞かれます。ガバナンスについての意識が高く、海外でIR(投資家向け広報)ツアーを実施しているような企業では、トップは海外の機関投資家から厳しい指摘を受けることが当たり前になっています。そうして鍛えられた経営トップから見ると、特に国内の機関投資家には中長期的な視点に基づく構造改革に関する知識や視点を十分に持つ人材が十分育っていないと映るようです。

 企業がガバナンスの体制をどう整えるのかのみに注目が集まりがちですが、機関投資家の側も建設的な対話を進めるための実力を高めなければならないという現実があります。機関投資家は議決権行使基準を設けるなどの体制はできていますが、全ての機関投資家で本当に主体的な判断を行う体制が整っているのかという点では若干の疑念があります。対話の中身をどう実質的で実りあるものにできるかがこれからの課題です。

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「ガバナンス改革、機関投資家にも進化が必要」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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