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留学に逃げた人(学歴ロンダリング)の末路

留学カウンセラー、栄陽子留学研究所所長の栄陽子氏に聞く

2016年3月3日(木)

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グローバル化が進展する中、ビジネスパーソンがキャリア形成する上で、語学能力の重要性がますます高まっている。今も昔も、英語力を磨くための王道は海外留学。企業の採用でも、留学経験がこれまで以上に高く評価されるようになってきた。

そんな状況に合わせ、普及してきたのが「海外留学による学歴ロンダリング」だ。高校時代に遊び呆けた結果、「納得できない最終学歴」を手に入れてしまった人が、その後、日本社会における学歴差別を改めて痛感。人生の一発逆転を狙い、留学によって、“より見栄えのいい最終学歴”を手に入れようとすることだ。

だが、「そんな虫のいい話があるはずない。いい加減な留学をすると人生を棒に振ることになりかねない」と断言する留学の専門家がいる。話を聞いてきた。
(聞き手は鈴木 信行)

2007年に著書『留学で人生を棒に振る日本人』(扶桑社新書)を通じて、日本人の留学への誤解や幻想に警鐘を鳴らされました。本の中では、捉え様によっては所謂「学歴ロンダリング」に失敗する若者も出てきますが、出版から9年、日本人の「誤った留学」は、少しは修正されてきているのでしょうか。

栄 陽子(さかえ・ようこ)
栄 陽子留学研究所所長、留学カウンセラー、国際教育評論家。帝塚山大学卒業。1971年、セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。国際教育評論家として、各自治体、教育委員会、大学、高校、専門学校で講演・コンサルタント活動を行っている。また、新聞、テレビ、ラジオへの出演、雑誌などへの寄稿、情報提供や執筆活動も積極的に行っている。留学関係の著作も多数。

:状況は相変わらずだと思います。本を出した当時と比べ環境面で最も変わったのは、円安によって留学のコストが大きく上昇したことです。例えば、今、コミュニティ・カレッジに1年通えば学費だけで年間約9000ドルかかります。2年通って約1万8000ドル。寮を併設していないコミュニティ・カレッジならホームステイが必要で、これが月1000~1200ドルかかります。2年で最低でも2万4000ドル。これに遊興費の月およそ1000ドルが加わり、同様に2年で2万4000ドル。合計で6万~7万ドル。1ドル80円の時代ならともかく110、120円時代になると覚悟が必要な金額です。

学費とホームステイ代はともかく、なんで遊興費が月1000ドルもかかるんですか? 勉強しに行ってるんですよね。

:ホームステイしてコミュニティ・カレッジに通っている学生の多くは、授業が終わると学校に居場所がないんですよ。寮生活なら話は違うんだけど、これは後で話します。いずれにせよ、ホームステイしている学生は校内に居場所がない上、ホームステイ先は大抵、学校から遠く、バスが1時間2本みたいな不便な場所にあります。しょうがないから、学生は日本人同士、スタバに行ったりご飯を食べたりしながら暇を潰すしかない。

ホームドラマのようなホームステイ先はない

ご飯は、ホームステイ先に支払う1000~1200ドルに入ってないんですか。

:入っています。でも多くの学生はホームステイ先に帰りたがらない。帰っても誰もいないし孤独だから。

えっ、アメリカのホームステイですよね? 優しいホストファミリーが温かく迎えてくれて、夜は暖炉の前で談笑、とかじゃないんですか。朝は、専業主婦のお母さんが絞りたてのオレンジジュースと焼きたてのトースト、ふわふわのスクランブルエッグとカリカリのベーコンを用意してくれて、起きてきた旦那さんや子供たちとキスの挨拶。休日には庭でバーベキュー、高級SUVに乗ってサーモン釣り…。

コメント40件コメント/レビュー

私は社会人経験後、語学留学し、そのままその国で就職・結婚・永住(非英語圏)し、役員定年退職・年金暮らししています。
日本での学歴は普通以下でしたが、日本を出たときの時点で仕事や収入は人並みの倍ぐらいであったと認識していました。でも「このまま運とツキだけで生きていくのは嫌だ」という気持ちから海外逃避というか一念発起で、充分な下調べをせず、飛び出したのは間違いなく、ここで言う学歴ロンダリングではなく職歴・経歴ロンダリングor人生ロンダリングを狙っていたとも言えます。

ただし、私の場合は、目標が日常会話でなく「学のない田舎のオバちゃんとも問題なく会話」「ブサメンだけど言葉巧みに女を口説く」みたいな「ネイティブと同等以上」のところに最終ゴールを置いていましたので、日本人とつるむことは一切なかったです(就職してから仕事上使うようになるまでは)。
「日本帰国後の留学経験ご利益」については語る資格はないのですが、この記事の内容については、「大いに賛同」します。細々とした、語彙や誇張表現や比喩にカチンとくることもなくほぼ首肯できる内容と思いました。
最終的に就職したこの国の企業(知る人ぞ知るホワイトカラー企業でした)では、この国の日本留学経験者を通算で50人ぐらい面接しましたが、やはり「つるんでいた」学生、留学先での就労経験のない学生、は最初から落とす対象でした。それを採るぐらいなら、国内優秀学生を採った方がずっとマシです。これは日本だけでなく、他のどこの国(先進国であろうと開発途上国であろうと)同じだと思いますね。(2017/02/23 11:35)

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「留学に逃げた人(学歴ロンダリング)の末路」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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私は社会人経験後、語学留学し、そのままその国で就職・結婚・永住(非英語圏)し、役員定年退職・年金暮らししています。
日本での学歴は普通以下でしたが、日本を出たときの時点で仕事や収入は人並みの倍ぐらいであったと認識していました。でも「このまま運とツキだけで生きていくのは嫌だ」という気持ちから海外逃避というか一念発起で、充分な下調べをせず、飛び出したのは間違いなく、ここで言う学歴ロンダリングではなく職歴・経歴ロンダリングor人生ロンダリングを狙っていたとも言えます。

ただし、私の場合は、目標が日常会話でなく「学のない田舎のオバちゃんとも問題なく会話」「ブサメンだけど言葉巧みに女を口説く」みたいな「ネイティブと同等以上」のところに最終ゴールを置いていましたので、日本人とつるむことは一切なかったです(就職してから仕事上使うようになるまでは)。
「日本帰国後の留学経験ご利益」については語る資格はないのですが、この記事の内容については、「大いに賛同」します。細々とした、語彙や誇張表現や比喩にカチンとくることもなくほぼ首肯できる内容と思いました。
最終的に就職したこの国の企業(知る人ぞ知るホワイトカラー企業でした)では、この国の日本留学経験者を通算で50人ぐらい面接しましたが、やはり「つるんでいた」学生、留学先での就労経験のない学生、は最初から落とす対象でした。それを採るぐらいなら、国内優秀学生を採った方がずっとマシです。これは日本だけでなく、他のどこの国(先進国であろうと開発途上国であろうと)同じだと思いますね。(2017/02/23 11:35)

記事からも薄っすら読み取れますが一つの事実として、

1.悠々楽々入れるレベルの高校に入学
 ↓
(その高校では)優秀な成績で卒業
 ↓
2.難易度の高い国内大学はムリと悟る。でもFランクの大学にも行きたくない。
 ↓
3.海外の語学学校で少しは苦労を味わう
 ↓
4.そこそこのレベルの海外大学への留学を目指す

という子供のほうが、上記の1.の段階で無理して高難易度の高校に入った子供より海外留学し易いという現実はありますよ。(2017/02/22 13:05)

留学「研究所」といっていても実態は留学「斡旋所」。ご本人は、この名称で記事が書かれることを禁じておられるそうですが、事実だから仕方ない。(2017/02/22 07:41)

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三品 和広 神戸大学教授