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もんじゅ問題は、核燃料サイクル政策転換の好機

多摩大学大学院教授・元内閣官房参与の田坂広志氏に聞く(前編)

  • 米田 勝一

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2016年3月8日(火)

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福島第一原発事故から5年を迎えようとする現在、いまだ様々な問題が山積する中で、大きな岐路に差し掛かり、身動きが取れなくなりつつあるのが「核燃料サイクル」問題だ。リサイクルの前提であった高速増殖炉計画は実現のめどが全く立たず、結果として余剰プルトニウムや使用済み燃料の再処理・貯蔵などの難題が宙に浮き、八方ふさがりの状況に陥っている。今後、この問題に関し、どのような論点で議論を進めていけばいいのか? 東日本大震災と福島原発事故の発生に伴い、内閣官房参与に就任。原発事故対策、原子力行政改革、エネルギー政策転換に取り組んだ多摩大学大学院教授の田坂広志氏に聞いた。

(聞き手は米田勝一)

「核燃料サイクル」は原子力発電の絶対条件ではない

福島第一原発事故から5年を迎えようとする現在も、福島地域の除染と復興、避難者と帰還者の生活再建、福島第一原発の廃炉、汚染水や放射性廃棄物の処理や貯蔵など、様々な問題が山積したままです。この時期に、どのような問題にフォーカスを当てて議論すべきでしょうか?

田坂:それらの問題は、いずれも極めて重要ですが、原発事故から5年という節目の時期だからこそ、政府もメディアも含めて、一度、しっかりとした議論をしておくべきことがあります。

 それは、我が国の「核燃料サイクル政策」についてです。

昨年11月、原子力規制委員会が、「高速増殖炉もんじゅ」の現在の運営主体である日本原子力研究開発機構の安全管理能力について大きな疑問を投げかけ、文部科学省に対して新たな運営主体を提示することを求めました。核燃料サイクル政策の問題は、このことによって、大きく浮かび上がりました。
 結果として、原子力規制委員会の求める「半年以内」に新たな運営主体が見つからなければ「高速増殖炉計画」を進めることができず、核燃料サイクル政策の実現が困難になり、ひいては我が国の「原子力発電政策」は壁に突き当たる――。こうした指摘や懸念を少なからず耳にします。

田坂 広志(たさか・ひろし)
多摩大学大学院教授/シンクタンク・ソフィアバンク代表。1951年生まれ。74年東京大学卒、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。2000年、多摩大学大学院教授に就任。同年、シンクタンク・ソフィアバンクを設立。2011年、東日本大震災に伴い、内閣官房参与に就任。原発事故対策、原子力行政改革、エネルギー政策転換に取り組む。

田坂:たしかに、多くのメディアは、そうした論調で語っていますし、もんじゅプロジェクトが進まなくなれば、核燃料サイクル政策の実現が困難になることは、その通りなのですが、ここで、一つ理解しておくべきことがあります。

 核燃料サイクル政策の実現が困難になることが、ただちに「原子力発電政策」が壁に突き当たることを意味しているわけではないのですね。

それは、どういうことですか?

田坂:なぜなら、世界全体を見渡してみれば、原子力発電を行っている国が、すべて「核燃料サイクル政策」を採用しているわけではないからです。むしろ、アメリカやカナダ、スウェーデンやフィンランドなど多くの国は、使用済み核燃料を再処理せず、そのまま最終処分する「核燃料ワンス・スルー政策」を採用しています。

 従って、核燃料サイクル政策の実現が困難になるということが、そのまま原子力発電政策が壁に突き当たるということを意味しているわけではありません。

核燃料サイクルとは、原子力発電で生じる使用済みの核燃料を再処理し、核燃料として再び使用するための一連の流れ。再処理は、使用済み燃料を化学処理した上で、ウラン、プルトニウムと高レベル放射性廃棄物に分離し、ウラン、プルトニウムを再び燃料として利用するための工程。高速増殖炉もんじゅは、再処理されたウラン、プルトニウムを使用して発電する「夢の原子炉」として計画が進められたが、その後に起こった度重なるトラブルにより、現在、稼働のめどが立っていない。

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