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米ハーバード大、入試から学力テスト“追放”へ

2016年3月11日(金)

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 今年1月下旬、米メディアの報道が世界的な株安や米大統領選に集中する中で、とあるニュースに目がとまった。世界最高峰の大学の一つ、米ハーバード大が入試制度を抜本的に改革するという。報道によれば、当たり前のように実施されている学力試験を、必須ではなく選択制にするのだとか。あのハーバード大が学力試験をやめる――というニュースは、米国民に驚きを持って迎えられた。

 日本でも「ゆとり教育」という名の下に、過度な成績至上主義からの脱却を図る動きが起きたが、学力低下を背景に学習指導要領は段階的に揺り戻し改正が行われている。なぜハーバード大学は入試制度の改革に乗り出したのか。改革の先頭に立つ同大学大学院のリチャード・ワイスボード専任講師に話を聞いた。

ハーバードの入試制度を変えようとしていると聞く。どのように変えるつもりなのか。

リチャード・ワイスボード・ハーバード大学大学院専任講師
専門は人間開発・心理学で、最近は幼少期における子供の脆弱性やレジリエンス、道徳面の発達、個々の習熟度の差、子供のための効率的な教育サービスなどの研究に注力している。

リチャード・ワイスボード氏(以下、ワイスボード):これまで大学の入試制度は学力テストの成績が判断基準の中心になっていたが、今後はそれ以外、例えば地域や家庭における活動も同等の判断基準にしていきたいと考えている。

 米国の場合、所得の高い家庭や中程度の家庭で育った学生は優秀な大学に入ろうと、受験勉強で多大なストレスやプレッシャーを感じている。他方、低所得の家庭の学生は高校から帰ると家事をしたり、アルバイトをして家計を助けたり、兄弟の面倒を見たりと、経済的にも時間的にも勉強しづらい環境にある。

 もっとも、そういう環境にあるからといって、低所得な家庭の学生が劣っているわけでは決してない。グループの中で活動する能力や問題を自分で解決していく能力、相手の立場に立ってものを考える能力など、家事労働やコミュニティへの参加といった社会経験を通して身につけた優れた“知識”を持っている場合が少なくない。

 今後はテストを通して見える知識だけでなく、そういった様々な知識を評価の対象にしていくべきだ。今回考えている新しい入試制度は、一部の貧困層の学生だけに適応されるものではなく、すべての受験生を対象にしている。

ボランティアや家の手伝いをどう評価するのか

ハーバード大の入試を受けるには、高校の成績やSAT (大学進学適性試験)、高校教師の推薦状、エッセイの提出などが必要だ。このうちの何が変わるのか。

ワイスボード:明確なことはまだ何も決まっていないが、学部によってはSATを選択制にしていきたいと考えている。

 ハーバード大学が学力試験を完全に選択制にするかのように報道されているが、実際は学部や学科によって選択制にしていきたいということであって、すべての学部で選択制にするわけではない。理系などはやはり学力試験が必要だろう。

 2~3年後に改革を実現できれば、というスケジュール感で進めている。今の高校一年生が受験する頃には制度が変わっているかもしれない。よりよい入試制度にするように、外部の様々な意見に慎重に耳を傾けているところだ。

家庭での貢献やボランティアへの参加を今以上に評価するという話だが、どのように評価するのか?

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「米ハーバード大、入試から学力テスト“追放”へ」の著者

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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