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保育園建設に反対する高齢者の末路

「脳の学校」の加藤俊徳社長医師・医学博士に聞く

2017年3月15日(水)

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 少子化対策が急務となっている日本。とりわけ必要なのが「子育てしやすい環境」の整備であることに異論がある人はいないはずだ。だが今、その子育て施設を巡って、非常に気になる動きが広がっている。東京23区や関東近郊の様々な街で、新設予定の保育園が住民運動により建設中止や延期に追い込まれていることだ。反対の理由は「園児の声がうるさい」「環境が変わる」「迎えに来る親のマナーが心配」など様々。建設中止を訴える人の中には、物事の道理をわきまえているはずの高齢者も少なからず含まれる。

 団塊世代を中核とする今の高齢者の多くは、戦後まもなく生まれ、乳幼児死亡率の引き下げを目的とした国策の下、国を挙げて保護され大切に育てられたはず。「自分たちは守られておきながら下の世代を守ろうとしないのは筋が通らない」と思う若い世代も少なくないに違いない。一体、保育園建設に反対する高齢者は何を考えているのか。脳科学の専門家に話を聞いた。

聞き手は鈴木信行

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加藤俊徳(かとう・としのり)
1961年、新潟県生まれ。株式会社脳の学校代表、加藤プラチナクリニック院長(港区白金台)。昭和大学客員教授。日米で医師としての研究・臨床活動の傍ら、独自のMRI脳画像鑑定技術を構築、胎児から超高齢者までヒトの脳を1万人以上分析。著書に「脳を強化する読書術」(朝日新聞出版)、「『めんどくさい』がなくなる脳」(SB Creative)等、多数。

東京23区や関東近郊の様々な街で、新設予定の保育園が住民運動により建設中止や延期に追い込まれるケースが増えているそうです。

加藤:そうらしいですね。

反対している人の中には、若者だけでなく、物事の道理をわきまえているはずの高齢者も含まれています。「園児の声がうるさい」「環境が変わる」「迎えに来る親のマナーが心配」など様々な理由が挙がっているようですが、一連の騒動を見ると、団塊の世代を中心とする今の日本の高齢者がおかしな方向に向かっている気がしてならないんですが。

加藤:その側面はあるでしょうね。私が脳科学者として、この保育所建設問題を知って立てた仮説は、日本の高齢者の脳が全体の傾向として「子供が苦手、嫌いな脳」になりつつあるのではないか、というものです。

そんなことがあるんですか。

「子供が嫌いな脳」になった高齢者たち

加藤:人間の脳というのは、「慣れないこと」や「慣れない環境」に対しては、面倒くさがり、拒絶する性質があります。子供が多かった昭和の時代までは、日本人全員が、「街のあちこちで子供が飛び回り、声を上げて大騒ぎする環境」に慣れていました。

放課後は日が暮れるまで元気に遊び回り、広場で野球をやって民家のガラスを割ったり、ため池の水門を勝手に空けて農家の人に大目玉を食らったり、みんなやんちゃでした。

加藤:ところが、平成に入り少子化が進むと、そうした風景が都会でも田舎でも急速に消えた。今や、多くの日本人にとって「大勢の子供が目の前ではしゃぎまわる環境」は、記憶の中にしかない、まさに「慣れない環境」なんです。

脳は慣れないものを拒絶するから…。

加藤:当然、多くの人の脳は、「子供がいる環境や子供そのもの」を苦手、嫌いになっていきます。保育園が出来れば、そんな慣れない環境が忽然と目の前にできるわけですから、脳は嫌がります。

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「保育園建設に反対する高齢者の末路」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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