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保育園建設に反対する高齢者の末路

「脳の学校」の加藤俊徳社長医師・医学博士に聞く

2017年3月15日(水)

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保育園反対派を非難する人は、「少子化が進めば日本が滅ぶのに何を考えているのか」などと理屈で建設中止を訴える高齢者を攻め立てますが…。

加藤:恐らく反対派はそんな深いことを考えて建設中止運動をしているわけではないと思います。「脳に反対させられている」んですから。

そういう「子供が嫌い、苦手な脳」になってしまった人は、自分の孫のような園児がちょこちょこ歩く姿を見ても、可愛いと思えないんですか。

自分の孫ですらそこまで可愛く思えない?!

加藤:思えなくなっていくと思います。今の高齢者は、街で子供と接する機会だけでなく、かつてのお年寄りに比べ自分の孫と接する時間すら少ないのではないでしょうか。背景にあるのは核家族化です。脳は、接する時間が少ない対象には慣れませんから、昔のお年寄りほど子供を可愛いとは思えなくても不思議ではありません。

地域全体で子供を育てる文化が形骸化しつつある今は、高齢者のみならず若い世代でも同様の現象が起きているのでは。

加藤:そうやって「子供に慣れない、子供が嫌いな脳」を持つ大人が増えれば、保育園建設が滞るだけでなく、虐待など様々な社会問題が発生することになります。そうなれば、社会全体として対策が必要です。例えば、1995年から2001年にかけて私が滞在していた米国は、「大人と子供を分ける社会」です。子供をつれて大人が集まる場所、例えばダンスパーティーなどに行く習慣などはなく、子供は子供、大人は大人の社会の中で暮らしています。

分かれて暮らしていると、「子供がいる環境」に慣れてない大人もいるから…。

加藤:子供が嫌いな大人が普通に存在します。レストランなどで子供が騒げば、もちろん笑顔で大目に見る大人もいますが、露骨に不愉快な表情をする大人もいます。こういう社会では、自ずと虐待も増えがちですし、放って置くと「子供が不得手な脳」を持つ大人が増えかねません。だから法律によって徹底的に虐待を封じようとするし、行政が主導を取って子育て施設なども優先的に建設していく仕組みになっています。街も学校を中心に設計され、少しでも社会の構成員が子供と接する時間を持つように工夫されています。

なるほど。

加藤:そう考えると、今の日本の状況は非常に中途半端で危険と言えるかもしれません。人々の脳は欧米化し「子供が嫌いな大人」が増えている一方で、それに対応するための社会作りは遅れているからです。

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「保育園建設に反対する高齢者の末路」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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