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部下の残業で書類送検された人の末路

弁護士の多田猛氏に聞く

2017年3月17日(金)

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 国を挙げて働き方改革が進む中、部下の残業で書類送検される企業幹部が相次いでいる。2016年暮れの大手広告会社の幹部社員に続き、今年1月には大手電機メーカーでも労務管理を担当する社員が労働基準法違反の疑いで書類送検された。同様の事案は分野や地域を越えて広がっており、地方の運送業者や小売業などでも営業所長や労務担当取締役などが摘発される事例が発生。企業の生産性を何とか改善しようとする当局の意気込みが伝わってくる。

 だが、摘発を残業削減に本気でつなげるなら、書類送検された“残業強要上司”がそれをきっかけに、自らの行いを多少なりとも反省することが欠かせない。「会社の利益と自分の出世欲のため、部下を過剰労働で追い詰めてきたが、こんな目に合うなら割に合わないな」――。そんな気付きを当事者に与えて初めて、書類送検の意味がある。果たして部下の残業で書類送検されると人生はどうなるのか。労務問題に詳しい弁護士に話を聞いた。

聞き手は鈴木信行

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多田 猛(ただ・たけし)
弁護士法人Next代表弁護士。1998年3月淳心学院高等学校卒業。2002年3月京都大学法学部卒業。2011年3月一橋大学法科大学院卒業。2013年4月第二東京弁護士会、子どもの権利に関する委員会幹事。一般社団法人シニア総合サポートセンター理事。子ども・家庭の法律問題をはじめ、幅広い分野で活躍中。

というわけで先生、そもそも書類送検とは、法律的にはどういうものなのでしょう。

多田:書類送検というのは法律用語ではなく、マスコミ用語なんです。法律用語で最も近い言葉は「送致」と言います。法律を犯した恐れのある人物がいた場合、当局には、その人物を検察に送って「この人間は法律を犯した可能性があるので判断して欲しい」と要請する権利があります。当局は法律によって異なり、刑法ですと警察に、労働基準法ですと労働基準監督署にその権利があります。

なるほど。

多田:その際、被疑者に逃亡の恐れなどがある場合は、逮捕し拘束できます。そうやって逮捕して本人を物理的に検察に送るのが「身柄の送致」です。一方、被疑者に逃亡の恐れもなく逮捕する必要まではない場合は、身柄の拘束はせず、検察に報告だけすることになります。これが書類送検と言われるもので、労働基準法違反容疑の場合、よほど悪質でない限り、身柄の送致はありません。

本当は「1時間オーバー」でも違法行為

どの程度、残業させたらアウトなんですか。

多田:厳密に言えば、労使協定で定めた残業時間を1時間でも越えれば法律違反として送致する権限が労基署に生まれます。

1時間オーバーでアウトなら、日本中の企業幹部が連日、書類送検されることになってしまいますが。

多田:1時間オーバーでも送致の権限は生まれます。生まれますが、労基署にもマンパワーの限界がありますから、書類送検するのは全体の一部に限られます。捜索の対象になるのは往々にして、労働者による告発があった場合か、過労自殺などの死者が出た場合です。こうなると労基署は対象企業に捜索に入り、資料を差し押さえるなど証拠を固め、普通はまず「指導」、次に「勧告」、それでも改善が見られない場合は、法人と個人の「書類送検」へと進むことになります。

どうやって白黒の判定をするのですか。

多田:出勤簿、PCのログ、タイムカードなどです。

それでは不十分ではないでしょうか。出勤簿が自己申告制の悪徳企業の多くは、従業員にウソの申告をさせています。出勤簿には「ノー残業デー」と書きながら、普通に深夜残業している企業もあります。

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「部下の残業で書類送検された人の末路」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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