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「サステナブル」を憧れの対象に|仏ロレアル

化粧品世界最大手・仏ロレアルのパルトCSO

2016年5月18日(水)

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CSR(企業の社会的責任)が叫ばれて久しい。企業は事業における環境負荷の軽減や社会貢献などに力を注ぐが、消費者の関心は思うように高まらない。その悩みは、環境先進国とも言われてきた欧州でも同じだ。化粧品世界最大手、仏ロレアルでチーフ・サステナブル・オフィサー(CSO)を務めるアレクサンドラ・パルト氏は、こうした課題を克服するには、「『サステナブル』という言葉が、もっと魅力的で憧れの対象となるように企業は努力すべき」と説く。パルト氏はかつて、弁護士として「アムネスティ・インターナショナル」などのNGO(非政府組織)で活動してきた経験を持ち、今はロレアルという大企業の内側からサステナビリティー(持続可能性)の向上に取り組んでいる。

アレクサンドラ・パルト氏
仏化粧品メーカー・ロレアルグループのチーフ・サステナブル・オフィサー。人権問題を専門分野とする弁護士として法律事務所勤務を経て、ドイツのNGO(非政府組織)「アムネスティ・インターナショナル」に勤務。2000年、仏CSR(企業の社会的責任)団体でダイバーシティー問題などを担当。2006年からフランス差別防止機構、2008年にCSR活動支援のコンサルティング会社を設立。2012年から現職(写真:陶山 勉)

ロレアルは2013年に、事業活動における環境的・社会的な負荷の軽減を目指し、「Sharing Beauty With All」というビジョンを掲げました。2020年までに2005年比で水の使用量を70%、CO2(二酸化炭素)の排出量を80%削減するといったターゲットを定めています。CSR(企業の社会的責任)活動に力を入れている背景について、改めて教えてください。

パルト:ロレアルは長い歴史の中で、常に社会貢献に取り組んできました。フランスでは2000年からより責任あるサプライチェーンを実現する取り組みを始めましたし、2007年には社会貢献活動に取り組む財団も立ち上げています。そういった意味では、ロレアルの理念や価値観と、CSR(企業の社会的責任)という概念の親和性は高かったと思います。

 それに加えて、CEO(最高経営責任者)のジャンポール・アゴンの個人的な思い入れも強いですね。彼は、持続的な発展が、将来、企業にとってはさらに必要不可欠になっていくという信念を持っています。それが、2013年のCSRに対する全社をあげてのコミットメントの背景にあります。その時からロレアルは、会社全体を抜本的に持続可能なものに変革するために、すべての従業員のみならず、取引先も巻き込んで挑戦してきました。

2020年までにすべての製品で環境負荷を軽減

「会社全体を変革」というのは、どういうことでしょうか。

パルト:その前に、一言追加しておきたいのは、我々だけではなく、すべての企業がサステナビリティー(持続可能性)を考えた取り組みを強化していくことが必要だと考えています。人類という大きな枠組みで考えた時、サステナビリティーを考えて経営のあり方を変えていかないと、次の時代に生きながらえることができません。先ほど、「次の時代」といいましたが、それは会社の将来という意味ではなくて、人類全体の将来のために必要ということです。

 ロレアルは、すべての製品で2020年までに環境的・社会的な負荷を軽減することをコミットメントとして掲げました。中核の事業に、サステナビリティーの視点をきちんと落とし込むためです。我々が今後発売する100%の製品で負荷を軽減することをコミットメントとして掲げたことで、イノベーションやリノベーションをかけるときに、必ず環境負荷を考える必要が出てきました。従来は、製品の性能や収益性だけを考えていればよかったですが、今ではサステナビリティーという3つ目の軸が入っています。まさにパラダイムシフトです。

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「「サステナブル」を憧れの対象に|仏ロレアル」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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