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寺社に油だけじゃない! 文化財を襲う災難

文化庁文化財調査官・奥健夫氏に対処法を聞く

2015年6月30日(火)

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 今春、国宝や国の重要文化財に指定されている建造物や仏像に油がかけられる事件が相次いだ。同事件に限らず日本の文化財はここ数年来、受難が続いているという。

 今回の事件の被害実態や文化財保護の課題について、文化庁の専門官に話を聞いた。

(聞き手は 庄子育子)

今回の“油かけ”事件の被害の実態について教えてください。

奥 健夫(おく・たけお)氏
文化庁文化財部美術学芸課主任文化財調査官(彫刻部門)。文化財の指定や調査を担当。1964年生まれ。東京大学大学院修了。1991年文化庁に入庁。2009年から現職。専門は日本彫刻史

:私が担当する彫刻に関して言うと、被害に遭った仏像はすべて奈良県内のお寺が所有するものです。長谷寺の十一面観音像、東大寺南大門の金剛力士像と大仏殿の脇侍、当麻寺の四天王像、金峯山寺の蔵王権現像です。いずれも国宝や重要文化財に指定されている作品です。

 最初に報告が上がってきたのは、長谷寺の十一面観音でした。連絡を受けた翌日に現地調査に行ったところ、右裾のあたりに油のような液体の跡が斑点状に残っていて、染みは、大きなもので直径10cmぐらいありました。


液体の正体がすぐに分かったのは不幸中の幸い

液体が油だということはすぐに分かったのでしょうか。

:文化財から離れた箇所で染み込まずこんもりとしている液体があったので、そのにおいをかいだり、触ったりして油だろうという見当はすぐにつきました。その後、専門機関できちんと調査もしました。

 液体のサンプルが取れて、正体が早い段階で分かったのは不幸中の幸いでした。お寺にある仏像は、お寺が管理している間に誤って何かかかってしまうことがないわけではありません。ただ、その場合、何がかかったか分かっている場合が多いので対処しやすい。けれど、正体不明ですと、どんな修復を行えばいいのか分からないので、作業が非常に難しくなります。

 今回の件に関しては、どれも油だと分かった。油だとそのまま放っておけば黒い染みとなって残ってしまう恐れがあったので、文化財の保存修理を専門に行う技術者の方々に速やかに修復作業を進めてもらいました。

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「寺社に油だけじゃない! 文化財を襲う災難」の著者

庄子 育子

庄子 育子(しょうじ・やすこ)

日経ビジネス編集委員/医療局編集委員

日経メディカル、日経DI、日経ヘルスケア編集を経て、2015年4月から現職。診療報酬改定をはじめとする医療行政や全国各地の医療機関の経営を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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