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EU離脱はまだモメる、国内手続きすら不確定

誰が新首相なっても離脱交渉が容易ではない理由

2016年7月4日(月)

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英国が国民投票を実施して欧州連合(EU)離脱を決めてから10日あまり。現地は今も激震が続いている。英国政治は混乱を極め、英国の景気後退入りを既に唱え始めたエコノミストもいる。当面の行方を、大和総研ロンドンリサーチセンターの菅野泰夫シニアエコノミストに聞いた。

(聞き手は蛯谷 敏)

国民投票でEU離脱を決めた後も、英国国内は混乱が続いています。当初、デビッド・キャメロン首相は離脱が決定された直後にEUとの正式な離脱交渉を開始すると見られていましたが、予想に反し、6月24日に辞任を表明しました。

 後任の保守党党首を決める選挙がスタートしたものの、大本命と見られていたボリス・ジョンソン前ロンドン市長は出馬しませんでした。EUとの離脱交渉がいつ始まるのか、不透明になっています。

菅野泰夫(すげの・やすお)氏
1999年大和総研入社。年金運用コンサルティング部、企業財務戦略部、資本市場調査部(現金融調査部)を経て2013年からロンドンリサーチセンター長。研究・専門分野は欧州経済・金融市場、年金運用など。執筆したリポートはこちらから続く

菅野:ジョンソン氏の出馬取りやめは予想外でした。これによって、テレサ・メイ内務相、あるいはマイケル・ゴーブ司法相のどちらかが新党首になる可能性が高くなりました。個人的に注目しているのは、次の次の首相といわれている、私と同世代のスティーブン・クラブ雇用・年金相です。

 だれが新党首、首相になるにせよ、EU側は6月29日に開催したEU首脳会合で、英国が「リスボン条約50条」を行使するまで、いかなる交渉にも応じないと明言しています。この条文は、離脱を通知する正式手続きについて定めています。新党首は、首相に就任した直後からEUの圧力にさらされ続けることになるでしょう。

一部では国民投票のやり直しを求める声があります。その可能性はありませんか?

菅野:ほぼないと思います。保守党の党首選に立候補した人々の中に、国民投票のやり直しを強く主張している人はだれもいません。むしろ、焦点は英国政府がどのタイミングで50条を行使するかに移っています。

 下の図が、保守党の党首選後の離脱までの想定プロセスです。

想定される英国の離脱プロセス(出所:大和総研)

 このシナリオは、保守党の党首選後に、新首相がリスボン条約50条をすみやかに行使する前提に立っています。ただし、本命のテレサ・メイ内務相とマイケル・ゴーブ司法相はともに立候補後の演説で、50条の行使を2017年以降にすると明言しています。

 ただ、50条の行使を待つEU側に我慢の限界があるでしょう。2017年頃には、英国の景気が後退していることが予想されます。ですから、新首相はすみやかに50条を行使せざる得ない状況に追い込まれるかもしれません。

 リスボン条約50条を行使した前後に英国政府は、欧州共同体法(英国において、英国の法律よりEU法が優位となる法律)を廃止する手続きに入ることが予想されます。離脱派は当初、この法律を廃止すれば、50条を行使しなくてもEUから離脱できるとしていました。これについてはEU内の弁護士の間で見解が分かれています。

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