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誤った“長期志向”が日本企業の寿命を縮める

その皮肉の原因を一橋大学の野間幹晴・准教授に聞く

2015年7月9日(木)

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 日本企業の経営における長所の一つは、長期志向にある。米国流の短期志向の経営に陥ったら、将来を見据えた投資をしづらくなり、経営の健全性が損なわれる──。

 株主や短期の収益を重視する米国流の経営の導入を巡って、こうした趣旨の反論がよくなされる。しかし、この日本的経営の“通説”は日本企業の実態を正しく反映していないと主張する新進気鋭の経営学者がいる。

 一橋大学大学院国際企業戦略研究科の野間幹晴・准教授だ。「誤った長期志向が日本企業の競争力を低下させ、持続的成長を危うくしている」と警鐘を鳴らす。

 一体どういうことなのか。同准教授の持論を聞いた。

(聞き手は中野目 純一)

日本企業は米国企業に比べて長期的な視点に立った経営をしているというのが一般的な見方ですが、そうではないと主張されています。

野間:そうです。より正確には「日本企業は長期志向だが、行動は短期的である。米国企業は短期志向だが、行動は長期的である」と考えています。「志向が長期か」と問われれば、米国企業に比べて日本企業の方が長期志向だとは思います。ですが、それは企業を永続させるという点での長期志向です。

 日本には長寿企業が多く、100年後の存続も暗黙的に目指していますが、実際に行っている経営は必ずしも長期的な視野に立ったものではない。象徴的なのが、日本企業の中期経営計画です。中期と銘打ちながら、中期と呼べるであろう10年間くらいの計画ではありません。

確かに計画の期間は3年や5年のものが多い。

野間 幹晴(のま・みきはる)氏
1974年生まれ。2002年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。博士(商学)。同年横浜市立大学商学部専任講師。2004年一橋大学大学院国際企業戦略科助教授。2007年4月から現職。主な著書に『日本企業のバリュエーション―資本市場における経営行動分析』(中央経済社)、『コーポレートファイナンス入門 企業価値向上の仕組み』(共立出版)

野間:3年や5年にしているのは、それから先のことを明確に考えていないからではないでしょうか。10年後や20年後、さらにその先の自社の将来ビジョンや戦略、その達成に向けた計画を立てていない。

 例えば日本企業の炭素繊維の事業も、明確な意図を持って育てたというよりは、撤退せずに継続していたら、結果として花開いたという印象を強く受けます。事業の「選択と集中」を進める中で、炭素繊維に経営資源を集中して実らせたものではないでしょう。

 企業が中長期的な持続的成長を実現するには、中長期的な視野に立って事業の選択と集中を進めることが必要です。しかし、日本の企業はそれができていないところが多い。

他方、短期志向と言われる米国企業の中には、デュポンのように長期的な視野に立って、事業構造を入れ替えているところも多いですね。

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「誤った“長期志向”が日本企業の寿命を縮める」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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