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これで財政再建ができるのか

骨太の方針に潜む本当の課題

2015年7月14日(火)

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政府は6月末、経済財政の基本方針(骨太の方針)をまとめた。2020年度に基礎的財政収支の黒字化を図り、財政再建を軌道に乗せるというこれまでの政策は堅持したが、具体論は乏しい。歳出改革は、項目こそ並ぶが、削減効果も見えにくい。計画はあっても、実行力とその効果に常に懸念が出る。課題はどこにあるのか。元自民党衆院議員で、東京財団研究員・政策プロデューサーの亀井善太郎氏に聞いた。

(聞き手は田村 賢司)

政府が先日、骨太の方針と成長戦略、規制改革実施計画を決めた。骨太の方針では、2020年度の財政黒字化目標を維持したが、本当に実現可能か懸念は残る。どう見ているか。

亀井 善太郎(かめい・ぜんたろう)氏
東京財団研究員・政策プロデューサー。1971年神奈川県生まれ。93年慶応義塾大学卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。ボストン・コンサルティング・グループ、衆議院議員を経て2010年、東京財団へ。財政分野を中心に各種政策の研究立案を手掛けると共に、近年は企業による社会課題解決(CSR)に関する研究にも取り組む。(写真:柚木 裕司)

亀井:例えば、安倍晋三首相は「経済再生なくして財政再建なし」というが、経済再生を財政再建とセットにしてきたからできなかったという歴史を全く無視している。橋本龍太郎内閣(当時)の1997年11月に、財政構造改革法が成立し、2003年度での赤字国債発行ゼロを掲げたが、景気の悪化で間もなく財構法は事実上停止になり、財政再建路線は頓挫した。

 財政再建に経済成長を前提条件とすると、必ずこういうことが起こる。本気で財政再建をするなら、経済成長を別のものと考えた上で実行する強い意志が必要だ。それに、今の金融市場は。大量の赤字国債を発行しても日銀が買い続けることで金利が極めて低く抑えられている。これは、事実上の財政ファイナンスといえる状態だ。

 とすれば、骨太の方針ではもっと具体的にいつまでに何をやって、財政再建をどう進めるかを示さなければいけなかった。だが、長い時間軸でやらないといけない項目を頭出ししただけで、具体論が見えなかった。

計画を積み上げても必要削減額に届かない

2018年度までを集中改革期間として、同年度の基礎的財政収支(PB=プライマリーバランス)の赤字幅をGDP(国内総生産)の1%程度にするとした。今年度予測の3.3%赤字から大きな削減だ。

亀井:基礎的財政収支は、税収で政策的な経費を賄えるかどうかを見る指標。現状は、国債の元利払いを除いた政策的経費さえ、赤字国債に頼って賄っている。これをまず何とかしようというのがPBの黒字化だが、容易なことではない。

 内閣府の試算では、2015年度のPB赤字はご指摘のように3.3%だ。かなり高い経済成長ができても2018年度は2.1%、2020年度は1.6%の赤字が残るという。つまり、歳出を相当に削り込まないといけないが、先ほど言ったようにその具体策は見えない。

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「これで財政再建ができるのか」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長