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イノベーションを支えるのは実は「文系」

シリコンバレーの投資家が語るスタートアップの真実

2017年8月1日(火)

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 今の時代、文学や哲学といった「文系」の科目ではなく、STEM(科学、技術、工学、数学)という言葉に代表される「理系」を勉強しないと就職やキャリア形成に不利だという声がよく聞かれる。実際、文系の学部の廃止を検討する大学は増えている。子供のうちからプログラミングを教えようと考えている親も少なくない。

 文系の肩身は狭くなる一方だが、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストはそんな今の風潮に異論を唱える。イノベーションを起こしてきたのは必ずしも理系のエンジニアではなく、現実の社会やビジネスにおける課題を知る文系。彼らとソリューションを知る理系のコラボレーションが社会を変えるのだ――と。

 全米で話題の新刊、『The Fuzzy and the Techie: Why the Liberal Arts Will Rule the Digital World』の著者、スコット・ハートレー氏にイノベーションにおける文系の役割を聞いた。

(ニューヨーク支局 篠原匡、長野光)

「文系」と「技術系」は相反するものではない

まず、本書のタイトル、”Fuzzy & Techie”についてお聞かせください。

スコット・ハートレー氏(以下、ハートレー): 1970年代、米スタンフォード大学ではアートや文学、社会科学を学ぶ人々を”Fuzzies”と、工学やコンピューターサイエンスを勉強している人々を”Techies”と呼びました(日本語だと「文系」、「理系」というような意味)。今学期はもっとFuzzyな授業を取ろう、いやTechieを取ろう、とかそういう話をしていたんです。

 この2つは現実には相反するものではありません。

 社会科学は決して優しい学問ではありませんし統計の知識が必要です。反対に、機械工学でデザインシンキングを学べば、コンピューターサイエンスに関連して多くのクリエイティブな側面がある。ユーザーエクスペリエンス(製品やサービスの利用を通じて得られる体験の総称)研究や人類学をルーツにするものもたくさんあります。この書籍で主張しているのは、イノベーションのためには両方が必要だということです。

スコット・ハートレー(Scott Hartley)氏
ベンチャーキャピタリスト
スタンフォード大やコロンビア大を卒業後、グーグルやフェイスブック、ハーバード大学バークマン・センターを経て、シリコンバレーのベンチャーキャピタル、 サンドヒル・ロード(Sand Hill Road)などでインベストメント・パートナーを務めた。オバマ大統領の元イノベーションフェロー。現在はニューヨーク・ブルックリン在住。(写真:Mayumi Nashida、以下同)

コメント10件コメント/レビュー

多くの方がコメントされるように理系だ文系だという話は、非常にナンセンス…と思いますが、僕は更に一歩踏み込んで、「理系」×「文系」のスキルセットこそ無限の可能性を秘めていると思っています。

イノベーションが新結合であり、人間の脳こそが最高の結合装置だと考えた時、一人の人間の中に文系と理系が共存することこそ望ましいと思います。これは一つの装置の中に存在しなくては能力を発揮できず、理系と文系の組織的組み合わせでは、真価を発揮できないと感じています。

さらに言えば、例えばプログラミングスキルをどれだけ頑張っても、同じカテゴリ内には優劣が存在しますが、プログラミングにもう一つ別のスキル、例えば会計知識、例えば史観、例えば哲学など、別のスキルの組み合わせを持つ場合、適材適所の原理で、より高次の仕事を行える可能性を秘めており、優劣では評価しきれない状況が発生します。

そしてその器用さは日本人にとても向いていると思います。
イノベーションを支えるのは、実は、文理両道の人物になっていくと、僕は思います。(2017/09/05 15:53)

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「イノベーションを支えるのは実は「文系」」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

多くの方がコメントされるように理系だ文系だという話は、非常にナンセンス…と思いますが、僕は更に一歩踏み込んで、「理系」×「文系」のスキルセットこそ無限の可能性を秘めていると思っています。

イノベーションが新結合であり、人間の脳こそが最高の結合装置だと考えた時、一人の人間の中に文系と理系が共存することこそ望ましいと思います。これは一つの装置の中に存在しなくては能力を発揮できず、理系と文系の組織的組み合わせでは、真価を発揮できないと感じています。

さらに言えば、例えばプログラミングスキルをどれだけ頑張っても、同じカテゴリ内には優劣が存在しますが、プログラミングにもう一つ別のスキル、例えば会計知識、例えば史観、例えば哲学など、別のスキルの組み合わせを持つ場合、適材適所の原理で、より高次の仕事を行える可能性を秘めており、優劣では評価しきれない状況が発生します。

そしてその器用さは日本人にとても向いていると思います。
イノベーションを支えるのは、実は、文理両道の人物になっていくと、僕は思います。(2017/09/05 15:53)

> 受験勉強に本腰を入れるようになってから何度も何のために
> 知識の暗記を繰り返すのだろう、と自問してたけど、
> 最近になって気づいたのは、やっぱり最低限の知識を入れとかないと、
> より高い次元にはいけないということ。

これは、よく言われることですが、大事なことだと思います。

ただ、方向が逆かな、と思います。つまり、暗記は効率が悪いのでやめた方が良いと思います。結論だけ言えば、「考える」のが本質で、考えるためには知識が必要で、必要なので知識は自然に頭に入って自然に記憶される . . . という順序なんだと思います。

いつか役立つときのために最低限の知識を詰め込んでおく、というのは効率が悪いです。暗記は苦痛だし記憶に残りにくいので。小学校は仕方がないとしても、中高で考えさせる教育をしないのが大問題 . . . そう思います。(2017/08/24 14:24)

昔から「文系」と「理系」のタイトルで色々な議論が交わされているが、アメリカ人も「文系」と「理系」の区別をしていることをこの記事で初めて知った。しかも、イノベーションを支えるのは「文系」とのことである。ここで重要なことは、「文系」の役割は”イノベーションを支える”ことに限定されていることにある。つまり、「理系」には”イノベーションを支える”役割は廻ってこないと言っている。従って、「理系」の役割は”イノベーションを産み出す”ことにある。つまり、イノベーションに関しては、役割分担が「文系」と「理系」できっちりと決まっていて、「理系」は、一所懸命、イノベーションを創造せよ、さすれば、「文系」がきちんとそのイノベーションを支えるよということかと、記事を読んだが、そのようなことは微塵もなく、単に「文系」科目も、「理系」科目も、区別なく学ぶことが必要よという内容で、全くの期待はずれだった。(2017/08/22 18:14)

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