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イノベーションを支えるのは実は「文系」

シリコンバレーの投資家が語るスタートアップの真実

2017年8月1日(火)

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哲学書とJavascriptの両方が必要

ソフトウェアが社会の中心になるにつれて、勉強するならSTEMという風潮が強くなっている気がします。

ハートレー:1959年に、ケンブリッジ大学でC.P. Snow(チャールズ・パーシー・スノー)という人の講義がありました。彼はサイエンスを学ぶ人々のカルチャーと人文科学、社会科学を学ぶ人々のカルチャーの間の断絶をどうまとめ上げればいいかということを論じたんです。

 同じように、現代でもFuzzyとTechieの間におかしな対立がありますが、両者は対立する関係ではありません。テクノロジーを学びつつ哲学書を読むことはできます。社会学を学びつつJavascriptを勉強することも可能です。

膨大なデジタルの中で希少性を生み出したスナップ

ベンチャー投資家として数多くのスタートアップの創業者を見ると、必ずしもエンジニアばかりではないと著書で書いています。

ハートレー:実際に成功しているテクノロジー企業には異なるバックグラウンドを持っている人が大勢います。フェイスブックを成功させたもの、スラックやインスタグラム、スナップを成功に導いたものを見ると、必ずしも技術的な進歩が成功の根底にあるわけではありません。

 たとえば、フェイスブックの成功の背景には、玉石混淆のウェブの中で信憑性をつくり出したということが挙げられます。同様に、スナップも膨大なデジタル情報の中で希少性を生み出しています。今の時代、誰もが写真をグーグルドライブやドロップボックスに保存しています。その中で、スナップは一定時間の後に写真を消すというサービスを始めた。

 これはとても社会学的な洞察だと思います。テクノロジー系企業の急成長を見ると、技術面だけでなく、デザインや心理学、その他の学問から得た洞察があります。私はそういうことが言いたくて、この本を書きました。優秀なエンジニアを雇えば、魔法のように企業が成長すると考えるのは間違いです。

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「イノベーションを支えるのは実は「文系」」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師