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IoTの本質は「小さな変化」の発見

セコムIS研究所・小松崎常夫所長に聞く

2016年7月29日(金)

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 ドローン、ウエアラブル、インダストリー4.0――。総じて「IoT(モノのインターネット)」と言われる分野は今や、どんなビジネスでも無視できない重要な要素となりつつある。だが、「IoTとは何か」と問われて、どれだけの人が答えられるだろうか。

 IoTの本質をとことん突き詰めた上で新ビジネスの創出につなげている企業の一つがセコムだ。同社は2015年に防犯用にドローンを導入。2016年9月から、夜間の工場や商業施設などをドローンで見守る新サービスを始める予定だ。

 そうした最新の取り組みを技術で支えているのがIS研究所(東京都三鷹市)だ。同研究所所長で常務執行役員の小松崎常夫氏に、セコムが考えるIoTの本質を聞いた。

(聞き手は池松 由香)

セコムは他社に比べて積極的にIoTを導入したサービスに取り組んでいる印象がありますが、背景にはどのような考え方があるのでしょうか。

小松崎:セコムが研究所を作ってからの30年間、科学技術に携わる上でとても重要だと考えてきた信念があります。それは「すべての技術が人々の幸せのためにある。技術はそれを実現するための道具である」ということです。

 道具にすぎないとはいえ、人々を幸せにするためのものですから、「良い道具」でないといけません。私たちは、良い道具を使って、どうやって「サービスを整える」かを考えています。

セコムの小松崎常夫常務執行役員IS研究所所長

サービスを整える、と言いますと?

小松崎:まず、背景にある考え方をご説明します。私たちが実際に展開している事業は、(1)セキュリティー事業、(2)防災事業、(3)メディカル事業、(4)損害保険事業、(5)地理情報サービス事業、(6)情報通信事業、(7)不動産事業の7つ。これらサービス品目に国際事業を入れますと、事業ドメインとしては8つになります。

 これらはすべて、「人々を幸せにするために何が必要か」を考えた末に生まれてきたものです。困った時はセコムを頼る。そう考えていただけるような会社になることを信念としてきました。

 例えば、セコムが損害保険というのは意外かもしれません。でも、困りごとというのは(複数が)一緒にやってくることが多い。すると、どうしても経済的な問題が生じてきます。それで保険が必要だろう、と創業者の飯田亮(取締役最高顧問)と戸田壽一(故人)が会社のグランドデザインの中に組み込んだわけです。

IoTの本質を理解するのに欠かせない3つのフロー

人々を幸せにするために技術を具体的なビジネスに落とし込んでいくには、どうすればいいのでしょうか。

小松崎:私は3つのフローに整理しています。まず、小さな変化を発見する。次に、変化を解析して意味を理解する。そして、その意味に基づいて適切な対応をする。研究所では、このプロセスを「基幹プロセス」と言っていいくらいに大事にしています。

そこにIoTが絡んでくるわけですか。

小松崎:このプロセスに技術が威力を発揮します。火山の噴火の例で考えてみましょう。

 以前は、火山が噴火して初めて「噴火」と分かりました。その後、地震計を配備して微動を観測できるようになると、地下のマグマの動きから、「近々、噴火するかもしれない」と分かるようになってきた。でも、山のどの部分から噴火するかまでは分かりません。

 それが最近では、衛星写真や航空写真などを使ってデータを解析すると、山腹の隆起が数十センチ単位で分かるようになってきました。こうしたデータや地震計のデータなどを組み合わせれば、いずれ、山のどこで噴火が起きるのか、中腹なのか山頂なのかが分かるようになるでしょう。そうすれば、噴火によって被害が出ることが予測される地域の人たちに、あらかじめ避難してもらうなど適切な対応ができるようになります。(1)小さな変化を見つけ、(2)そのデータから意味を汲み取り、(3)迅速な対応をする、というわけです。

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「IoTの本質は「小さな変化」の発見」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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