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脳とナショナリズムと戦争の意外な関係

脳科学者・中野信子さんに聞く

2015年8月5日(水)

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人類は集団行動を取ることで猛獣から身を守り、生き延びてきた。
だが、祖先から引き継いできたこの特性が、戦争を生み出す可能性を秘めている。
なぜ、こんな皮肉なことが起きるのか。
気鋭の脳科学者、中野信子氏に、脳の働きと戦争の関係について聞いた。

(聞き手 森 永輔)

先日、中野先生とある方によるライブ対談にお邪魔する機会がありました。その場で話題に上った「青シャツと黄シャツ」のエピソードにハッとさせられました。教育とナショナリズム、戦争の関係を考えるのに役に立つのではないかと思ったからです。

中野 身びいきについて調べるために行われたこんな実験の話でしたね。

中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者。東日本国際大学教授、横浜市立大学客員准教授 1975年生まれ。東京大学工学部卒、東京大学大学院医学系研究科医科学専攻博士課程修了。フランス国立研究所で研究に従事。 主な著書に『脳はどこまでコントロールできるか?』『脳内麻薬』『努力不要論』など。(撮影:加藤 康、以下すべて)

 6~9歳の白人の子供を集め、青いシャツを着るグループと黄色いシャツを着るグループに無作為に分けます。そして、それぞれのメンバーがそれぞれのグループに属していることを毎日、意識させるように仕向けました。例えば、「青シャツグループのロバート君」と呼びかけるとか。青シャツグループと黄シャツグループに同じテストを受けさせ、グループごとの平均点を知らせるとか。

 こうしたことを1カ月にわたって続けた後、面白い反応が確認されたのです。「競争すると、どちらが勝つか」と聞くと、67%の子どもが「自分の集団が勝つ」と答えたのです。また、グループ替えをするなら、今度はどちらのグループに入りたいかと問うと、8割以上の子供が「今のグループがよい」と応じました。こうした身びいきが生じることを「内集団バイアス」と呼びます。

小学生の時、隣のクラスはまるで外国のような存在であったことを思い出します。比較したわけでもないのに、自分のクラスこそが最も素晴らしいクラスだと信じて疑いませんでした。できればクラス替えはしたくなかったですね。

中野 あの時の対談ではお話ししなかった、「泥棒洞窟実験」というものがあります(注:泥棒洞窟は地名)。

 10~11歳の白人男子で構成する2つの集団を近くの場所でキャンプをさせました。最初の1週間はそれぞれの存在を知らせずに過ごさせる。次の週に、偶然を装って、両集団を引き合わせました。その後、綱引きなどのゲームをして競わせ、お互いの対抗心を煽るように仕向けたのです。

 その後、両集団の親睦を図るため、食事を一緒に作って食べたり、花火をしたり、イベントを催したのですが、結果は親睦どころではありませんでした。相手の集団が使うキッチンにゴミを捨てたり、殴り合いのけんかを始めたり、相手の集団の旗を燃やしたり、まるで戦争が勃発したかのような行動が見られたのです。

 たった3週間のことですよ。お互い、なんの怨恨もないのに。

コメント20件コメント/レビュー

なるほど。すると自民のネットサポーターはまさに内集団バイアス養成システム。ネトウヨはそれの自然発生パターン? そして論理誤差でネトウヨ的発想以外を全てサヨクと判断を誤り、同調バイアスと集団性バイアスでネトウヨ思想はオーバーヒート。要するに自分できちんと考える知性が足りないので集団のバイアスでどんどんおかしな方向に行ってしまう。それが先の大戦まで引き起こした。しかし知性が足りない方が生殖に有利、なるほど先の大戦を起こしたような知性の足りない生き残りの子孫だからさもありなん!? 本当に知性ある国を思う憂国の四肢たちは、皆、戦死してしまったのですから。。。!?(2015/08/13 12:08)

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「脳とナショナリズムと戦争の意外な関係」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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なるほど。すると自民のネットサポーターはまさに内集団バイアス養成システム。ネトウヨはそれの自然発生パターン? そして論理誤差でネトウヨ的発想以外を全てサヨクと判断を誤り、同調バイアスと集団性バイアスでネトウヨ思想はオーバーヒート。要するに自分できちんと考える知性が足りないので集団のバイアスでどんどんおかしな方向に行ってしまう。それが先の大戦まで引き起こした。しかし知性が足りない方が生殖に有利、なるほど先の大戦を起こしたような知性の足りない生き残りの子孫だからさもありなん!? 本当に知性ある国を思う憂国の四肢たちは、皆、戦死してしまったのですから。。。!?(2015/08/13 12:08)

人間の脳は、自分を守ることに快を感じるように設定されている。戦争もイジメも、その快を得るための脳の条件反射のようなものかもしれないです。そうであれば、いくら戦争やイジメに反対したところで、それらは無くなることはないです。人間の脳が、自分を守る必要がないということを認知し、排除行動に快を感じなくなったとき、はじめて戦争もイジメも無くなるのかもしれないと思いました。(2015/08/05 11:58)

面白い話をありがとうございます。あとは、この話を、いかに多くの人に分かってもらうかが大事だと思います。この手の話は「結局それが人間の本質なんだからしょうがない」という、「お墨付き」「言い訳」に使われて終わってしまうことが多いように思うのです。本当は、知ることによって、その益を保ったまま害を減らすように自分を制御する、という行動につなげるべきである、と思います。■ 『仮にこうした気持ちを抑えることに成功したとしましょう。しかし、その人は「病気」もしくは「人間らしい気持ちが欠落した人」と言われて、その人こそ排除の対象にされてしまうでしょう』---これは、第一に、良い面まで抑えてしまうところに問題があるんだと思います。悪い面だけ選択的に抑えることは可能だと思います。(簡単にいえば、自国が国際競技で勝った時はみんなと一緒に喜ぶが、他国の悪口を言いたくなった時は相手の立場を想像し自制する、など。) 第二に、排除されるのは、多くの人が、引いた態度の大事さに気づいていないからです。あくまで啓蒙が大事なのではないでしょうか。■ あとは、知的な人は子孫を残しにくい、ということですが、現状の観察結果と一致しているようにも思いますが、もっと人々の知性を高めるような社会制度・装置を用意して、バランスをもっと知性の方に傾けるようにした上で、人口がどこに落ち着くかは自然に任せる、とするしかないのでしょうね。(2015/08/05 11:28)

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