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日銀の総括検証、異次元緩和の限界認めるべき

前日銀審議委員、白井さゆり・慶応大学教授に聞く

2016年9月14日(水)

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2013年4月に始まった日銀の異次元緩和。今年1月にはマイナス金利導入にまで踏み込んだが、物価は上がらない。その日銀が、これまでの緩和効果とその背景を分析し、今後の金融政策につなげる総括検証を9月下旬公表する。3月に日銀審議委員を退任した白井さゆり・慶大教授に見通しを聞いた。

(聞き手は田村賢司)

日銀は9月20~21日の金融政策決定会合で、3年余りの異次元緩和について、「総括的な検証」を行います。何が論点になると見ていますか。

1989年、慶應義塾大学大学院修士課程修了。1993年、コロンビア大学経済学部博士課程修了(Ph.D.取得)。1993年、国際通貨基金エコノミスト、1998年慶応大助教授を経て2006年から教授。2011年4月から2016年3月まで日銀政策委員会審議委員。主な著書に『超金融緩和からの脱却』(日本経済新聞出版社)など。

白井:まずなぜ、総括検証をすることになったのかを考えた方がいいでしょう。今年1月にマイナス金利を導入しましたが、国民からも金融機関からも評価する声は少ない。「黒田バズーカ」といわれた2013年4月の大胆な量的・質的緩和(QQE)以後の効果や課題を含めて、検証をする必要があるということになったのだと思います。

 実はQQE導入から2年たった昨年4月にも、日銀は「検証」を行っています。前回は、背景説明といって、日銀の事務方が書くものでした。(自分も今年3月までメンバーだった)政策委員会が責任を持って書くものではありませんでした。ところが今回は、改めて総裁が書くことを指示したということで格上げになった。それだけ重要度が違うわけです。

家計と企業は物価上昇を支持してない

何が変わるのですか。

白井:当然、前回との比較が行われるはずです。前回は、物価目標2%の達成に向けてどう進むかということで2つの経路を説明しています。

 1つは大胆な金融緩和を行って、人々の長期予想インフレ率を引き上げ、それによって現在の実際のインフレ率を上げるというものです。長期的に物価が上がると考えるようにすることで、足元でも物価は上がると感じるというわけです。

 2つ目は、実質金利を下げて、投資や消費など総需要を拡大。常に需要不足といわれる日本経済の需給ギャップを改善する。それによって物価を押し上げていくというものです。

 私が見るところ、この2つは機能していないように思えます。まず第1の経路ですが、家計(個人)や企業はどうみても2%の上昇を支持していません。家計は物価が高いと思っているし、これ以上上げて欲しくないというのが本音だと思います。

 それが分かっているから、企業も到底値上げは出来ないと感じています。ここ数年は、円安の影響で食品メーカーなどは時間をかけてゆっくり価格を上げましたが、円高に転じてそこまで。どう考えても、家計も企業も物価上昇を望んでいません。だから2%の物価安定目標に信認があるとは思えないのです。

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「日銀の総括検証、異次元緩和の限界認めるべき」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師