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ウェザーニューズが挑む世界天気予報

砂漠や南極、北極の気候まで詳しく分かる

2015年9月17日(木)

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 気象情報サービスのウェザーニューズ。最大の武器は、天気アプリ「ウェザーニュースタッチ」のユーザーから日々送られてくる気象に関するコメントや写真だ。温度や気圧などの一般的な気象データに、ユーザーからのコメントや写真から分析した情報を加味することで、予報の精度を上げている。そんな同社が消費者向けサービスで本格的に海外進出を始めた。

 海外で事業買収や提携を次々と実施。2015年5月、世界140カ国にユーザーを抱える米国の著名ベンチャーWeathermobのアプリ事業の買収を発表。6月には、フランスの家電メーカーNetatmoと事業提携で合意し、同社が開発した個人向けウェザーステーション(屋内外に設置すると気温や気圧、湿度、二酸化炭素量などを測定できる観測器)から集まるデータをウェザーニューズが使えるようになった。さらに7月、中国で月間8000万人のユーザー数(ダウンロード数は4億件)を抱える天気アプリ大手の墨迹風雲(モジフェンユン)との提携も発表。ユーザー数の規模とカバーエリアを一気に拡大させた。

 なぜ今、海外なのか。日本で成功したビジネスモデルをそのまま海外に持っていって、勝算はあるのか。ニューヨークを拠点に個人向けモバイルコンテンツ事業の海外展開を統括する石橋知博取締役に聞いた。

(聞き手は池松 由香)

石橋知博(いしばし・ともひろ)
1975年生まれ。ウェザーニューズ取締役で、父は同社創業者の博良氏。1998年中央大学理工学部情報工学科卒。日本ヒューレット・パッカードを経て2000年にウェザーニューズ入社。法人やインターネット関連の営業を経験した後、2003年にモバイルサービス事業を立ち上げた。2005年11月からはユーザー自ら現在地の天気を報告できるウェザーリポーターの仕組みを導入。2012年1月から米国ニューヨークの拠点に移り、現在は執行役員として個人向けモバイルコンテンツの海外事業全般を統括している。(写真:的野弘路)

立て続けに事業買収や提携を実施したのはなぜですか。

石橋:危機感からです。ウェザーニューズは1999年にNTTドコモがiモードを始めてからずっと、フィーチャーフォンでの気象情報サービスはナンバーワンでした。でも、スマートフォン(スマホ)の登場で状況が変わった。アップルやグーグルが作ったプラットフォームに沿ったサービスでなければ、消費者向け事業の拡大は難しい時代になったのです。

 環境の変化は、危機であると同時にチャンスでもあります。一つのアプリで成功すれば、世界進出も果たせるようになりました。「このタイミングで世界を見ておく必要がある」。そう感じて拠点をニューヨークに移したのが、今から約3年半前のことです。

 拠点を移した翌年、日本で展開するスマホアプリのグローバル版となる「sunnycomb(サニコム)」を立ち上げました。当初こそ苦労しましたが、今では世界約170カ国に数十万単位のユーザーを抱えるまでに成長しています。

 ここまで大きくできた要因の一つに、地元ニューヨークのデザインチームを採用したことがあると思います。グローバル市場を相手にするなら、日本でやっていたサービスをそのまま翻訳するだけでは通用しません。気象の表現の仕方やアイコン、文字の効果的な置き方などは、アルファベットと日本語では違ってきます。僕らには分からない「テイスト」の部分、海外で広く受け入れられるデザインやインターフェイスは東海岸のクリエーティブな人材に聞くのが一番だと考えました。おかげでいくつかのデザイン賞などを獲得し、地元メディアからも注目してもらうことができました。

それぞれの地域の表現方法や受け入れられやすいデザインのテイストは、その地域の人に任せた方がいい。買収や提携の目的の一つがそこにあるのでしょうか。

石橋:サニコムを実際にやってみて気付いたのは、「このままだと自分が生きているうちに世界をカバーするのは無理だ」ということ(笑)。サニコムは日本に比べればまだまだユーザー数が少なく、リポート数も日本ほど集まってはこない。これからインドやロシアにも広げようか、と考えているのにこのままでは難しいことに気付かされました。そこで「パートナーシップを組む」ことを目指すようになったわけです。

「天気アプリは儲からない」

ウェザーニューズと組むことで、相手にはどんなメリットがあるのでしょうか。

石橋:天気アプリは基本的にお金を稼ぎづらいビジネスモデルです。天気は万人が興味を持つのでトラフィックは非常に多いけれど、ユーザーの年齢や性別すら分からないことがほとんどで広告としてはターゲットしづらい。トラフィックがあるのに儲からないのです。

 さらに、どの地域でも「天気は無料で手に入るもの」と受け取られています。天気アプリの有料コンテンツでビジネスとして成り立たせている会社は世界でもまれで、ウェザーニューズくらいではないでしょうか。僕らは、パートナーのトラフィックで集まったデータを天気予報の精度向上に役立てさせてもらう代わりに、有料のコンテンツを生み出すノウハウをパートナーに提供していきます。このロジックはパートナーにとってもメイクセンス(納得できること)のようです。いろんな相手と話してきて実感しています。

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「ウェザーニューズが挑む世界天気予報」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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