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企業のLGBT対応、課題は人事から「現場」へ

就労を支援するReBitの藥師代表に聞く

2016年9月27日(火)

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 日経ビジネスが特集「LGBT あなたの会社も無視できない」を掲載したのは2015年8月24日号。それから1年余りが経過し、同性パートナーの権利を認める自治体やLGBTに配慮する日本企業が増えるなど、LGBTの権利についての意識は大きく変わった。LGBT当事者の就職活動にどのような変化があり、どのような課題が残るのか。LGBTの学生などの就労支援を手がけるReBitの藥師代表に聞いた。

(聞き手は 熊野信一郎)

藥師実芳(やくし・みか)/特定非営利活動法人ReBit代表理事
2013年、早稲田大学商学部卒。行政/学校/企業等でLGBTに関する研修を多数実施。キャリアカウンセラーとして約500人のLGBTの就労支援を行う。新宿区自殺総合対策若者支援対策専門部会委員、世田谷区第二次男女共同参画プラン検討委員に就任。2015年、青少年版国民栄誉賞と言われる「人間力大賞」を受賞。世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ世界の20代30代の若手リーダー、グローバル・シェーパーズ・コミュニティ(GSC)選出。著書に「LGBTってなんだろう?? からだの性・こころの性・好きになる性」(合同出版)。

昨年11月に東京・渋谷区が同性パートナーに対して「パートナーシップ証明書」の交付を始めるなど、この1年ぐらいでLGBTに対する社会の意識が変わりました。LGBTの就労支援を通じて、どのように受け止めていますか。

藥師:就労支援を始めて3年になりますが、確かに社会の変化は感じています。以前は、「うちの会社にLGBTの社員はいない」と言われることもあり、LGBTが職場における課題として認識をされていませんでした。しかし、メディアでの報道もあり、約13人に1人はLGBT、大学新卒の就活生であれば年約3万人いるということが意識されるようになったことは大きな変化だと考えます。

 就活における企業の取り組みは増えています。例えば金融業界の企業約15社によるLGBTファイナンスさんや、日本アイ・ビー・エムさん、ヤフーさんをはじめとしたIT企業連合による、LGBT学生向けの業界説明会が行われています。また、KDDIさんがエントリーシートの性別欄をなくすなど、LGBTに配慮する企業が増えてきてきました。

具体的にはどのような取り組みでしょうか?

藥師:例えばLGBTの働きやすさ構築のため、性的指向や性自認などLGBTであることで差別してはいけない旨をダイバーシティポリシーや社内規定に記載する企業や、NEC さんのようにグループ内の人事部門や人権相談窓口にLGBTの研修を取り入れる企業が増えてきました。また、野村証券さん、アクセンチュアさんのように社内でのLGBTとアライ(理解者)のネットワークを有し、社内外での発信に取り組まれる企業もあります。

 また、社外への発信として、GAPジャパンさん、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスさんなど、LGBT関連イベントのスポンサーになる企業も増えてきています。LGBTのお客様への対応として、日本航空(JAL)さんや全日本空輸(ANA)さんが家族で共有できるマイルを同性パートナーでも利用できることを発表しました。

 やはり大企業が動くと業界へも影響が大きいんですね。その意味では、NTTグループさんなどが福利厚生における配偶者に関わる制度について、同性のパートナー等にも対象を拡大したことは大きなインパクトがありました。私どもの団体も昨年度だけでも100社を超える企業の担当者に研修にご参加いただくなど、企業の関心は高まっていると実感しています。

コメント7件コメント/レビュー

>職場がなぜ個人の性的指向に対応する必要があるのでしょう?なんだか性的指向のLGBTの人達を特別扱いしすぎだと思います。

まあ仰ることも判ります。でも貴女がこう言われたら?「職場がなぜ個人の性別に対応する必要があるのでしょう?なんだか女性を特別扱いしすぎだと思います」
LGBT対策がなぜ必要なのか、理由のひとつは「職場のコミュニケーション不全による生産性の低下を防ぐため」。ストレートの方は「世の中が如何に性的な含意(セクシャルだけではなくジェンダーとしての)に満ちているか」なかなか見えづらいと思います。例えば月曜日にオフィスで何気なく交わされる会話「週末何してたの?」、この返事ひとつとってもLGBTの人がどれほど神経を擦り減らしているか理解できないでしょう。勿論オフィスは仕事をするところですが、コミュニケーションの重要性が叫ばれる昨今誰とも会話をしないわけにはいきません。上記の例でいうと「本当は週末同性の恋人と過ごした」→「嘘は言いたくないから言葉を濁す」→「何を考えてるか判らない付き合いづらい人」→「社内での人的ネットワーク構築失敗」という展開を容易に辿ります。同性愛が発覚すればどんな社内イジメや人事評価が下されるか判らない恐怖から、仕事の第一線に出て注目を浴びたくないと思うあまり出世も遅れますし、これでは本人に能力があってもオフィス全体の生産性が向上しません。
 理想としては、例えば貴女が「週末は『彼女と』映画を見て~」「へ~、それで今週のこの書類なんだけど~」というような会話が無意識に出来る環境、でしょうね。ただ全社員をそういう意識に持っていくのは時期尚早ですから、せめて社内規程で法的な担保を、というのが企業におけるLBGT対応の趣旨です。企業の人事政策の基本「限られた有能な人材を確保し、パフォーマンスを上げてもらい、職場全体の生産性を向上させる」一環といえば理解して頂けるでしょうか。全人口の7%とも推計される人達の生産性が上がればメリットは大きいですから。(2016/09/30 11:01)

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「企業のLGBT対応、課題は人事から「現場」へ」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>職場がなぜ個人の性的指向に対応する必要があるのでしょう?なんだか性的指向のLGBTの人達を特別扱いしすぎだと思います。

まあ仰ることも判ります。でも貴女がこう言われたら?「職場がなぜ個人の性別に対応する必要があるのでしょう?なんだか女性を特別扱いしすぎだと思います」
LGBT対策がなぜ必要なのか、理由のひとつは「職場のコミュニケーション不全による生産性の低下を防ぐため」。ストレートの方は「世の中が如何に性的な含意(セクシャルだけではなくジェンダーとしての)に満ちているか」なかなか見えづらいと思います。例えば月曜日にオフィスで何気なく交わされる会話「週末何してたの?」、この返事ひとつとってもLGBTの人がどれほど神経を擦り減らしているか理解できないでしょう。勿論オフィスは仕事をするところですが、コミュニケーションの重要性が叫ばれる昨今誰とも会話をしないわけにはいきません。上記の例でいうと「本当は週末同性の恋人と過ごした」→「嘘は言いたくないから言葉を濁す」→「何を考えてるか判らない付き合いづらい人」→「社内での人的ネットワーク構築失敗」という展開を容易に辿ります。同性愛が発覚すればどんな社内イジメや人事評価が下されるか判らない恐怖から、仕事の第一線に出て注目を浴びたくないと思うあまり出世も遅れますし、これでは本人に能力があってもオフィス全体の生産性が向上しません。
 理想としては、例えば貴女が「週末は『彼女と』映画を見て~」「へ~、それで今週のこの書類なんだけど~」というような会話が無意識に出来る環境、でしょうね。ただ全社員をそういう意識に持っていくのは時期尚早ですから、せめて社内規程で法的な担保を、というのが企業におけるLBGT対応の趣旨です。企業の人事政策の基本「限られた有能な人材を確保し、パフォーマンスを上げてもらい、職場全体の生産性を向上させる」一環といえば理解して頂けるでしょうか。全人口の7%とも推計される人達の生産性が上がればメリットは大きいですから。(2016/09/30 11:01)

30代ストレートの女性です。
医学的に性の未分化、自認の性と身体的性が異なる方への柔軟な対応は必要かと思います。
しかし、個人の性的指向で職場にさえLGBT議論を持ち込もうとしてる人達は、最終的に何を要求しているのか、サッパリ理解出来ません。性的指向の人達だけに絞って見たとき、個人的にはLGBTもロリコンもSM趣味もパーソナルな生活においては好きにしてください、ただそれをオフィシャルな生活の場である会社に持ち込むな、につきます。職場がなぜ個人の性的指向に対応する必要があるのでしょう??ちょっと報道とかに流され過ぎてるように思います。なんだか性的指向のLGBTの人達を特別扱いしすぎだと思います。

 (2016/09/28 19:26)

先日、ハローワークから「御社の求人に性同一性障害の方で応募したい人がいる」と連絡を受けました。私は「ぜひとも応募して欲しい」と言いたかったのですが、社長に相談したところ、間髪おかずにノーの返事。ハローワークの方に泣く泣く「お断りします」と伝えました。人間としてとても恥ずかしかったです。自分の倫理観に背くことを自分の口から発することになるとは。。。昔の米国や南ア、あるいは大戦中のドイツで体制派にいた人の中にはこんな気分を味わっていた人がいたのかもしれません。本当に嫌な気持ちが何日も続きました。

同情してもらいたい気分もあり、社内の何人かに話してみたのですが、むしろ私のような考え方は少数派のように感じました。積極的に反対というのではないのですが、できたら避けたいという人の方が多い印象でした。こんな会社には来てもらわない方が正解だったのだと自分を慰めてます。本当はそういう人たちの意識を変えるためにも優秀なLGBTを雇いたいところですけど。

応募された方は同業界での経験のある方でした。経験のない方を既に二人も雇っていたのに。。。LGBTに対する偏見がある場合、その環境にはLGBT以外に対する偏見も存在するのだと思います。個人の資質を見ずに、偏見のみで人材を排除する余裕は、うちの会社にも日本の経済にもないと思うのですが。(2016/09/27 22:56)

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