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米中首脳会談で「完結」した習近平の「大国」キャンペーン

「始まり」は抗日戦勝70周年式典にあった

2015年9月30日(水)

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9月25日、オバマ米大統領と習近平国家主席による3回目の米中首脳会談が行われた。サイバーセキュリティー問題や南シナ海問題は平行線に終わり、成果はなかったとの見方が多い。だが中国側の視点に立つと、この会談の違った像が見えてくる。新進気鋭の中国研究家、加茂具樹・慶応義塾大学教授に聞いた。

(聞き手は、森 永輔)

9月25日に米中首脳会談が行われました。加茂さんは、どこに注目していましたか。

加茂具樹(かも・ともき)
慶応義塾大学総合政策学部教授。専門は現代中国政治外交研究、比較政治学、国際関係論(日中関係)。1955年、慶応義塾大学総合政策学部を卒業。2004年、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。駐香港日本国総領事館 専門調査員、國立政治大学国際事務学院客員准教授などを経て、2015年4月から現職。近著に『現代中国政治と人民代表大会 人代の機能改革と『領導・被領導』関係の変化』など。

加茂:中国が描く米中関係の姿と、米国が描く米中関係の姿がどこまで同じで、どこまで異なるのか。この点に注目していました。両者が大きく異なり、どこまで譲ることができるのかのレッドラインを読み間違えることがあれば、最悪の場合、軍事衝突につながりかねません。

 9月26日付の人民日報が、今回の会談の成果として49項目からなるリストを掲載しました。リストから感じ取れる中国側がアピールしたい「成果」が、習近平国家主席とバラク・オバマ米大統領が並んだ共同記者会見を含めた米国側の発言のトーンとずいぶん異なるのです。これが、米中それぞれが描く2国間関係の違いを表しているように思います。


新型大国関係を「成果」として挙げる

どんな違いがあったのですか。

加茂:最も大きいのは新型大国関係です。人民日報の記事は、これを49項目の筆頭に掲げ、米中がこの関係の構築に向けてあたかも合意したかのように表現していました。一方、米国側は新型大国関係に全く言及していません。

 ただし、中国が本当に「米中が合意した」と理解しているのか、それとも「合意できつつある」ことを中国国内や世界に向けて宣伝する意図なのか、そこは分かりません。中国は米中関係を「新型大国関係」と繰り返し表現してきました。一方、米国は一貫してこれをスルーしてきました。

オバマ大統領と共に記者会見に臨んだ習近平国家主席(写真:UPI/アフロ )

米国が新型大国関係に言及しないことは何を意味しているのでしょう。「言及しない」ことは必ずしも「同意しない」ことを意味するのではないと思います。

加茂:そうですね。「同意しない」場合、面と向かって「否定する」という対応と、「言及しない」という対応が考えられます。米国は「言及しない」の方を選択したのです。米国は中国との間に緊密で安定した関係を築くことが重要と考えています。否定することで対立・対決を招く必要はないでしょう。

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「米中首脳会談で「完結」した習近平の「大国」キャンペーン」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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