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肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない

肺がんのスペシャリスト、順天堂大学鈴木教授に聞く(予防編)

2017年10月10日(火)

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 喫煙率が下がり続けているのに、肺がんによる死亡者数が増え続けている。自覚症状が出にくい肺がんは、気がついた時には「手遅れ」となるリスクも高い。毎年の健康診断で胸部X線写真を撮っているからといっても安心できない。では、どうしたらいいのか。率直な疑問を、肺がんのスペシャリスト、順天堂大学医学部の鈴木健司教授に話を聞いた。

「肺がん」と聞くと、タバコを吸っている人がなる病気だというイメージがあります。「自業自得だ」なんていう声も聞きますが、実際はどうなのでしょうか。

鈴木:医学の進歩によって、胃がんや肝臓がんは早期に発見することができるようになりました。そのため胃がんで死ぬ人は横ばい、肝臓がんで亡くなる人は2000年代に入って減少に転じています。ところが、肺がんで亡くなる人は増加の一途をたどっています(下の図の赤い線)。今や、日本国内でがんによる死亡者数は肺がんがトップになってしまいました。

出典:順天堂大学「日本のがん死亡数」

 タバコとの関係はどうか。日本で喫煙率のピークは1965年、昭和40年頃です。当時の成人喫煙率は80%ぐらいありましたが、今は20%を切っています(2016年「国民健康・栄養調査」によると、男性が30.2%、女性が8.2%だった)。

 タバコを吸う人は確実に減っているのに、肺がんになる人は確実に増えている。だから今、肺がんになるのはタバコを吸っていない人がほとんどということになります。

そうなんですか!知り合いが肺がんになったと聞いたら、「タバコを吸い過ぎたんだな」と思ってしまいがちですが、そうではないということですね。

鈴木 健司(すずき・けんじ)
順天堂大学医学部呼吸器外科学講座主任教授。東京都出身。1990 年防衛医科大学校卒業。95 年国立がんセンター東病院(現:国立がん研究センター東病院)レジデント。99 年国立がんセンター中央病院(現:国立がん研究センター中央病院)呼吸器外科医員、2007 年同病院呼吸器外科医長に就任。08 年から順天堂大学に移り現職。専門は「早期肺がんの診断と治療」「進行肺がんに対する集学的治療」など(写真:鈴木 愛子、以下同)

鈴木:そうです。この情報はもちろん厚生労働省も把握している。けれども、世間にはあまり知られていません。禁煙運動に水を差すので言わないという考えもあるのかもしれませんが、もうちょっと広く知ってもらった方がいいと思うんですね。

肺がんは自覚症状が出にくい、発見された時には手遅れ

喫煙率は下がっているのに、肺がんの罹患率は上がっている原因は分かっているのですか。

鈴木:残念ながら分かっていません。

 肺がんは大きく分けると2種類に大別されます。「扁平(へんぺい)上皮がん」と「腺がん」です。

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「肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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