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TPP合意を受け、中国は日中韓FTAを加速させる

中国経済の今後を占う9月の輸出統計

2015年10月8日(木)

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5年にわたって協議が続けられてきたTPP(環太平洋経済連携協定)が10月5日、ついに大筋の合意に達した。これは中国にどのような意味を持つのか。6月の株価急落、8月の人民元安を経て、中国経済に対する懸念が高まっている。中国経済は今後、いかなる経過をたどるのか。長年、中国をウォッチしている、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹に聞いた。

(聞き手は森 永輔)

TPP交渉がついに大筋合意に達しました。中国はTPPをどのように見ているのでしょう。

瀬口 清之(せぐち・きよゆき)氏
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
1982年、東京大学経済学部を卒業し、日本銀行に入行。2004年、米国ランド研究所に派遣(International Visiting Fellow)。2006年に北京事務所長、2008年に国際局企画役。2009年からキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。2010年、アジアブリッジを設立し代表取締役。

瀬口:中国はこれを中国包囲網と見ています。それも単なる経済的な協定ではなく、安全保障にも関わる取り組みと見て危機感を高めています。中国が展開しようとしているアジアインフラ投資銀行(AIIB)や一帯一路構想はTPPに対抗するものと言えるでしょう。

TPPが中国の安全保障にも関わるというのはどういう意味ですか。

瀬口:経済的な関係の強化が安全保障上の関係の深化につながるからです。例えば南シナ海で、中国はベトナムと領有権紛争を抱えて対立しています。しかし、両国間の貿易が増え、経済的な関係が強まれば、安全保障上の対立を緩和させることが期待できます。ところが、TPPによってベトナムと米国との経済関係が強くなると、こうした思惑が実現しづらくなる。

 同様の思惑が米国にもあります。米国は西太平洋において日本やオーストラリアと安全保障上の強い関係を築いています。TPPによって経済関係を深めることで、この安全保障上の関係を補強したいと考えているのです。中国は、米国がTPPによって西太平洋の同盟国及びその予備軍、中国と紛争を抱える国々との経済関係を強め、それを安全保障上の関係強化につなげることに警戒を強めているわけです。

 中国は、その一環として、日本がこれ以上、米国べったりにならないよう、日中関係を融和の方向に持っていこうとするでしょう。日米関係は今、オバマ政権が発足して以来、最高の状態にあります。安倍政権は4月に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を改定。9月19日には、安全保障法制を成立させました。オバマ政権は安倍政権による一連の安全保障政策を非常に高く評価しています。そして今回、TPPで合意。安全保障と経済の両面での日米関係強化は、中国にとって大きな脅威になります。

 中国は、TPPへの対抗策として、具体的には日中韓3カ国による自由貿易協定(FTA)交渉を加速させるでしょう。日中韓FTAは日韓関係の融和にもつながる。この意味においても、TPPの合意は大きな意味を持っています。

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「TPP合意を受け、中国は日中韓FTAを加速させる」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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