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ロシアから電力を輸入し、東京電力は送電会社に

笹川平和財団・田中伸男理事長に聞く(前編)

2016年10月25日(火)

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12月に予定されているロシアのプーチン大統領の来日に向けて、北方領土返還交渉や日露の経済協力に向けた動きが活発になっている。そうした中、エネルギー分野での経済協力として、ロシアから送電線を日本に引いて電力を輸入することなどを想定した「エネルギーブリッジ」という構想が浮上している。

こうしたアイデアを早くから提唱していたのが、国際エネルギー機関(IEA)の元事務局長で、現在は笹川平和財団の理事長を務める田中伸男氏だ。

なぜ、日本がロシアから電力を輸入することが必要なのか。折しも、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国が減産で合意して以降、原油価格は上昇傾向にあるほか、国内では原発の再稼働問題や高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉方針決定など、エネルギー情勢が国内外で目まぐるしく動いている。

田中氏に、昨今のエネルギー情勢と日本が進むべき方向について、話を聞いた。

田中伸男(たなか のぶお)
1950年生まれ。73年通商産業省(現・経済産業省)入省。通商政策局通商機構部長、経済協力開発機構(OECD)科学技術産業局長などを経て、2007〜11年に国際エネルギー機関(IEA)事務局長、2011〜15年に日本エネルギー経済研究所特別顧問。2015年4月から笹川平和財団理事長(写真:陶山 勉)。

9月に石油輸出国機構(OPEC)の加盟国が減産で合意して以降、石油価格は上昇傾向にあります。非加盟国のロシアのプーチン大統領も減産する用意があると発言したと報じられ、11月に開かれるOPEC総会の行方に注目が集まっています。石油価格は、今後も上昇していくのでしょうか。

田中伸男(以下、田中):確かに、アルジェリアでのOPEC会合の後、石油価格は少し上向いてきました。ロシアが減産に賛成するという話もあるし、サウジアラビアとイランが減産で合意できたという説もあって、石油価格は上昇機運ではあります。

 しかし、本当にロシアが減産に応じるのか不透明です。また、OPECの加盟国が減産するかについても、具体的に各国の割り当てが決まらないと、実効力はありません。11月のOPEC総会の結果を見ないと、どうなるのか分かりません。ただし、これだけ上がってきて、もし、期待を裏切るようなことがあれば暴落してしまうので、なんらかの対応策が出てくる可能性が大きいと思います。

 今、石油の産出量が一番多いのはサウジアラビアで次が米国、そしてロシアです。

 石油価格が今後も上がり続けると、米国でシェールオイルの生産が増えてくるでしょうから、実際には石油の総量は減らないかもしれないという問題もあります。米国は、シェールオイルの生産量をコントロールする気はさらさらありませんから。

むしろ、OPECやロシアの減産は、シェールオイル業者を利するだけになってしまいかねないというわけですね。

田中:はい。そのため、本気でOPEC加盟国やロシアが減産するかということ、それはなかなか考えにくい。今、口先だけで介入すれば価格は上がり気味になるのでしょうが、本当にずっと上昇していくかというと、必ずしもそうはならないと思います。

 9月に国際エネルギー機関(IEA)がエネルギー投資に関するレポートを発表しました。そのレポートでは、石油やガスの上流への投資は2015年から3年連続で減ると予測しています。3年連続で減るというのは前例のないことだと。減るのは基本的にシェールをはじめとする非在来型資源への投資です。そのため、コストが安い在来型の中東産の石油がガスへの依存度は、ますます高まる傾向が出てくるでしょう。

 一方、価格の低迷が続けば、中東諸国の財政を圧迫し、治安を維持するための様々な投資が十分にできなくなり、社会は不安定になります。つまり、不安定な中東にさらに依存せざるを得ないという状況に陥ってしまう。

 特に、中国やインド、他のアジア諸国にとって、これは大きなリスクになります。そうなると、やはり中東依存度を下げる必要があり、原発の再稼動がままならない日本は、大変、危ない橋を渡っているという気がしています。

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「ロシアから電力を輸入し、東京電力は送電会社に」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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