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ラッシュ時に電車を遅延させた人・親族の末路

鉄道事故裁判に詳しい弁護士の佐藤健宗氏に聞く

2017年11月24日(金)

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すべての相続人が相続放棄をしてしまえば、それで賠償請求に応じる義務はなくなります。

佐藤:裁判をやっても意味はありませんから、鉄道会社はここで諦めざるを得ません。相続放棄をすれば裁判所から受理証明書が出ますからそれを鉄道会社へ持って行って、全て終了でした。

となると、まず「ラッシュの時にトラブルを起こして電車を大きく遅延させると、本人あるいは親族が鉄道会社から億単位の巨額の賠償金を請求される」というのは都市伝説なんですね。

佐藤:億というのは滅多にないと思います。

さらに多くの場合は、賠償請求の交渉は裁判に至る前に決着する、と。自殺の場合、交渉の段階で親族側は故人の遺産から払える額なら払えばいいし、払えなければ相続放棄をすればいい。いずれにせよ、遺族として、遺産以上の損害賠償責任を負う事はない、と。

佐藤:そういう理解でいいと思います。ただ、損害賠償の責任があることは頭に入れてほしいです。

鉄道会社が裁判を起こそうとしない理由

故人の遺産から賠償金を払えるにもかかわらず支払いを拒否したり、相続放棄をしなかったりすれば、鉄道会社は訴えるしかなくなると思いますが。

佐藤:論理的にはそうですが、実際にはそこまで行かないでしょう。まず弁護士に相談すれば、まず間違いなく、遺族は相続放棄か示談を薦められます。そもそも、列車を遅延させる行為は、民法709条の不法行為に該当し、故意または過失によって第三者の権利や利益を侵害した時は、行為者はその損害を賠償する責任があると法律には定められています。それに人身事故は運転事故ではなく、鉄道会社の方には一切の非はないんです。

鉄道会社に非がない以上、普通に訴訟になれば遺族は負ける。だから、弁護士も示談か相続放棄をする戦術を取るのが一般的だ、と。

佐藤:一方、鉄道会社側も、なるべく訴訟を避けようとします。理由は簡単で、鉄道自殺の場合、仮に裁判に勝っても賠償金を取れる確率は高くないからです。というのも、鉄道に飛び込んで自殺をする人の中には、経済的に困窮している方もおられるでしょう。鉄道会社側も、賠償金を払える遺産があるのか調査するはずです。裁判をやって勝っても賠償金は取りようがないと判断すれば、無用な訴えは起こさないと思います。

コメント11件コメント/レビュー

もし鉄道会社が本気で損害賠償請求をするなら
鉄道会社自身の事故防止義務がゼロというのもおかしな話であり
そこを争点にされたら、鉄道会社自身にダメージがくる可能性が高いのではないか、
だから本気で損害賠償などしないのではないか、と思っています。

車の場合、故意に飛び込まれても運転手の過失責任を問われます。
観光地などで柵がなく転落したら、国や地方自治体が責められます。
それらと比較して、鉄道会社の責任があまりに軽すぎます。
もう少し、鉄道会社側の安全対策を喚起しても良いのではないかと思います。
千葉方面の総武線の特急通過は、電車に引っ張られる風圧を感じます。
事故が起きても、自殺扱いで数百万払えと言われるのでしょうか。

ホーム内にやたらショッピングモールを作って儲けることに一生懸命のようですが
いっそ裁判を増やして、鉄道会社の安全対策についての判決を見てみたいです。

それと
日本人の鉄道会社への忠誠心は何なんでしょうね。
この異常な責任の軽さと、亡くなった方への鞭の打ち方は、
大会社は公的資金を投入し、中小企業は自己責任という不条理な姿を思い起こさせます。
弱いものは虐めてもいい、強いものには媚びへつらうという日本文化のなせるわざでしょうか。(2017/11/24 18:51)

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「ラッシュ時に電車を遅延させた人・親族の末路」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

もし鉄道会社が本気で損害賠償請求をするなら
鉄道会社自身の事故防止義務がゼロというのもおかしな話であり
そこを争点にされたら、鉄道会社自身にダメージがくる可能性が高いのではないか、
だから本気で損害賠償などしないのではないか、と思っています。

車の場合、故意に飛び込まれても運転手の過失責任を問われます。
観光地などで柵がなく転落したら、国や地方自治体が責められます。
それらと比較して、鉄道会社の責任があまりに軽すぎます。
もう少し、鉄道会社側の安全対策を喚起しても良いのではないかと思います。
千葉方面の総武線の特急通過は、電車に引っ張られる風圧を感じます。
事故が起きても、自殺扱いで数百万払えと言われるのでしょうか。

ホーム内にやたらショッピングモールを作って儲けることに一生懸命のようですが
いっそ裁判を増やして、鉄道会社の安全対策についての判決を見てみたいです。

それと
日本人の鉄道会社への忠誠心は何なんでしょうね。
この異常な責任の軽さと、亡くなった方への鞭の打ち方は、
大会社は公的資金を投入し、中小企業は自己責任という不条理な姿を思い起こさせます。
弱いものは虐めてもいい、強いものには媚びへつらうという日本文化のなせるわざでしょうか。(2017/11/24 18:51)

>鉄道自殺で鉄道会社側に一切の非が無いという点は疑問です。

ではどの程度とお考えでしょうか。

福知山の事故のように速度超過したとか、踏切が閉まらなかったとかなら
鉄道会社の責任でしょうけど、自分から飛び込んだのなら100%向こうが悪いのでは。
そもそも線路は会社の土地なのですから、勝手に入ったら不法侵入です。

だいたいホームドアで防げるのは酔っ払いとかのふらつき事案までですよ?
本気で死にたい人間はホームドアなんて乗り越えて飛び込むに決まってるじゃないですか(笑)
一昔前のSFみたいにパイプの中でも走りますか? いやぁ何兆円かかるんだろ・・・。(2017/11/24 17:49)

電車自殺は何も飛び込みだけとは限らない。福知山線の高見隆二郎運転士は、運転中に乗客108人を巻き添えにして自殺を果たしたと私は主張している。電車はスピード超過での脱線がどこから起きるのかが、分かりにくいだけで、あれは自殺だ。飛行機のパイロットが自殺で墜落させた例はこれまで世界に70例ほどあるとのことだが。飛行機はとても分かりにくくて、列車は分かりにくいというだけ。あと、都市伝説に抑止効果を持たせるより、きちんと氏名公表し、鉄道会社のHPにも20年ぐらいは掲載するようにしたらいい。(2017/11/24 16:57)

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