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日本は合気道の要領で中央アジアに目を向けよ

2015年12月18日(金)

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安倍晋三首相は、自由、民主主義をはじめとする「価値」に重きを置く「価値観外交」を標榜している。だが、米国と価値観を共有しているはずの英国が、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に率先して参加するなど、価値観外交には懸念すべき面もある。そこで、価値観外交に詳しいジョシュア・ウォーカー氏に話を聞いた。同氏は米ジャーマン・マーシャル・ファンドで主任研究員を務める。ウォーカー氏は11月、日米の政府関係者や専門家らが対話する「富士山会合」(日本経済研究センターと日本国際問題研究所が共催)第2回年次大会に参加した。(聞き手 森 永輔)

ウォーカーさんは価値観外交に関心を持たれていますね。

ウォーカー:はい。利益はどの国とでも、敵国とでさえ共有することができます。一方、価値を共有できるのは多くの場合、同盟国です。これが、私が「価値が大事」と考える理由です。価値は、同盟国を団結させる。価値と利益は異なるものなのです。

ジョシュア・ウォーカー
ジャーマン・マーシャル・ファンド主任研究員。クリントン国務長官のグローバル・パートナーシップ・イニシアチブのために中央アジアおよび北アフリカに関する上級顧問を務めた。国務省チーフエコノミスト室、駐アンカラ米国大使館などにも勤務。(写真:加藤 康、以下すべて)

なるほど。価値と利益を分けて考える必要があるのですね。

 私は価値観を前面に出す価値観外交が真に機能するものなのか疑問に思っています。最近の英国の動向をみてください。政治面でも安全保障面でも英国は米国と価値を共有しています。しかし、中国が主導するアジアインフラ開発銀行(AIIB)への参加を先進国の中でいち早く決めました。韓国も同様です。政治面でも安全保障面でも米国と密接な関係にあります。しかし朴槿恵大統領は親中路線を取っています。この動きは特に経済面で顕著です。

ウォーカー:価値観外交はいろいろある外交手法の1つにすぎません。例えば経済的な利益を重視する商業外交があります。同盟関係に焦点を当てる安全保障外交もあります。価値観外交が単独で機能するわけではありません。

 森さんが例に挙げた米国と英国との関係はこの問題を考えるよい例ですね。米国と英国は非常に似た価値観を持っています。しかし、価値観を同じくしていることと、価値観外交を展開することは別ものです。英国は価値に基づく外交をしていません。中国がもたらす利益を重視して行動したのです。

 価値観外交について考える時、我々はどの地域について考えるのかに注意を払う必要があります。中東地域を考えるならば、米国と英国は依然として価値観外交を展開していると言えるでしょう。しかし、中国が力を持つ東アジアと、ロシアが力を持つユーラシアについて、私は確信を持つことはできません。

米豪が結ぶ堅い信頼の絆

米国と価値観を共有している国は日本のほかにどこがありますか。

ウォーカー:オーストラリアです。米国と価値観を共有する国として世界で最もふさわしい例と言えます。

 オーストラリアは時の政権が保守派であろうとリベラル派であろうと関係なく、いつも米国と肩を組んで歩んできました。だからこそ米国は、オーストラリアとインテリジェンスを共有してきたのです。私が見るところ、これは米豪が価値観を共有しているからこそのことです。

 将来に目を向けると、候補がたくさんあります。例えばフィリピン。奇妙に聞こえるかもしれませんが、ベトナムやマレーシアの名前も挙げることができます。文字通り数十年の時間がかかるかもしれませんが。

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「日本は合気道の要領で中央アジアに目を向けよ」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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