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「生きた商品」として新潟織物の良さを伝える

File14 西脇商店 代表取締役社長 西脇一隆

2015年11月2日(月)

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 西脇商店は、新潟県小千谷市で、越後上布や小千谷縮をはじめ、新潟の織物を扱ってきた呉服卸。テキスタイル(=布)デザイナーの須藤玲子さんに教えてもらって、その存在を知った。須藤さんは、日本各地に点在している技を生かしながら新しい布作りに挑み、世界に向けて発信している方だ。

 紹介されたのは、西脇商店の11代目、西脇一隆さんとともに家業を支える西脇聖さん。須藤さんと聖さんのトークイベントに誘ってもらったのだ。高度な技術が結集された日本の布の中には、廉価な海外生産に押され、先細りしているもの、消えていっているものが少なくない。お二人のトークイベントは、そういった中で、良きものをどう残していくかを語りかけるものだった。

 「生まれ故郷である新潟に、こんな老舗企業があった」と、自分の不勉強を反省し、小千谷市の西脇商店を取材した。

西脇商店の11代目、西脇一隆社長
(写真:岩船雄一、以下同)

「いまあるものが最高ではない」

川島:今日はキモノ姿でいらっしゃいますが、それは小千谷縮ですよね。見るからに涼しそうで爽やかな印象だし、何よりかっこいいです! 西脇商店は、長い歴史を持つ呉服卸。お仕事柄、いつもそうやってキモノをお召しになっているのですか。

西脇:いえ、普段は洋服のことが多いのです。ただ、展示会やイベントなどでは、扱っているキモノを身につけるようにしています。

川島:東京でお会いした聖さんのキモノ姿も、軽やかで品にあふれていて、とても素敵でした。老舗の女将さんという感じで。

西脇:いやうちは、老舗というほど歴史があるわけではないのです。

川島:ご謙遜を! 西脇さんが11代目ということは、創業は江戸時代になるのですか?

西脇:越後という土地は、古くから麻布を作ってきた歴史があるのです。奈良の正倉院に、「越後布」が収蔵されているといいますから。

川島:「越後布」とは何ですか?

西脇:今でいう越後上布のことです。麻布を作ってきた歴史を持つ小千谷という地で、うちが創業したのは1773年。「西新(さいしん)」という名前の縮問屋として看板を掲げたのが始まりです。

川島:越後上布や小千谷縮は、1955年に国の重要無形文化財に、2009年にユネスコ(国連教育科学文化機関)無形文化遺産にと、世界的な評価を受けています。さぞや精巧な技によって作られているのでしょうね。

西脇:そうです。苧麻(からむし)という麻の薄皮を剥いで細く裂き、手で繋ぎあわせて糸にしていく。それを丹念に撚り上げて極細の糸を作り、手で織っていくのです。糸が極細なので、一反ができるまでに膨大な時間がかかる。それも、地機(じばた)という特殊な織り機を、腰にかけるようにして織る重労働でもあるのです。

川島:越後上布や小千谷縮は、麻布なのですね。小千谷縮は縦方向に皺が入っているような、凹凸のある質感も独特です。

西脇:麻布は、しゃり感と光沢感を備えている上に、強度があるのも特徴です。縦方向に入っている皺のような質感から、縮と呼ばれているのです。これは、横糸に強い撚りをかけた糸を使っているからできるもの。織り上げた布をぬるま湯の中で揉むと、このような皺が生まれるのです。雪の上に広げて日光に当てる(=晒す)と、白く柔らかな風合いになります。肌につかず離れずさらっとした触感で、風通しがいいので、夏のキモノ素材として重用されてきた歴史もあります。

川島:でも、すべて手作業ですから、かなり手間暇がかかるということですね。

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「「生きた商品」として新潟織物の良さを伝える」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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