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震災時の経営革新が、復興後の飛躍を生む

サービス産業革新推進機構代表理事 内藤耕氏に聞く

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2016年4月27日(水)

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福岡県や鹿児島県の旅館・ホテルでもキャンセルが相次ぐなど、熊本地震は九州全域に影響を及ぼし始めている。この先、九州経済はどのような道を歩むのか。サービス業の経営に詳しく、東日本大震災後の調査結果をまとめた『お客様を呼び戻せ! 東日本大震災 サービス復興の証言』の著書がある内藤耕氏に聞いた。

熊本地震が九州のサービス業全体に影を落としています。

内藤:震災で最も大変な思いをしているのは、言うまでもなく被災した人たちです。その光景が連日にわたって報道され続けていますが、このようなときは被災地の周辺地域の人たちも、家屋の倒壊などの被害がなくても、経済的にはかなり深刻な状況に追い込まれていきます。

 私は、東日本大震災の直後から東北に入り、サービス業を中心に取材して回りました。当時、被災地では行政の人たちや、大勢のボランティアが活動していました。ところが、被災地周辺は人けがなく閑古鳥が泣いていた。

 製造業と異なり、サービス業はお客がお店まで来てくれないと、売り上げが立ちません。熊本県は阿蘇山を擁し、大分県は日本有数の温泉地、湯布院や別府を構えます。観光名所の多い九州は今後、サービス業を中心に景気が冷え込んでいくのではないかと思います。

ないとう・こう
工学博士、一般社団法人サービス産業革新推進機構代表理事。世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。主な著書に、『サービス工学入門(編著)』(東京大学出版会)『お客様を呼び戻せ! 東日本大震災 サービス復興の証言』(日経BP社)など

 復興に、物資の支援は不可欠です。道路や住宅など、ハード面に対する投資も大事です。ところが東日本大震災では、ハードの復興を議論しているうちに、人口流出を招いてしまいました。それはサービス業の存立基盤を奪います。

 あのときの教訓を生かし、国や行政だけでなく、被災地とその周辺地域に住む人たちも、産業活動をどう正常化していくのかということを今から考え、手を打つべきでしょう。住民を多く雇い、その生活を支えるサービス業は特に大事で、復興を加速することにもつながります。こんなときに、企業が売り上げを求めて集客したり、人々が旅行に行ったり外食を楽しんだりするのは「不謹慎だ」という見方をする人がいますが、一刻も早く策を講じないと、九州のサービス業が取り返しのつかない状態に至ってしまう。

飲食で2カ月、旅館・ホテルは半年かかる

過去に照らすと、被災地周辺の経済が回復するまでには、どのくらいの期間がかかるのですか。

内藤:東日本大震災後、元の客数に戻るまでに飲食業界は約2カ月、旅館・ホテル業界は約半年かかりました。私は、阪神・淡路大震災を経験した関西のサービス業にもヒアリング調査をしていますが、やはり回復には同じくらいの期間を要していました。中小企業が多い地方のサービス業は一般に、1、2カ月分の現預金しか保有していません。1~2週間、客足の回復がちょっと遅れるだけで、サービス業にとっては致命傷になりかねません。

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