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工場長がいない製造業

ニッポンの経営の過去・現在・未来を探る

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2016年5月26日(木)

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 社員の前にニンジンをぶら下げたり、尻をたたいたりすることを経営と称していた時代は終わりました。これからの人づくり、組織づくりはどのようなものになるのか。過去・現在・未来の経営を俯瞰した書籍『ニッポン経営名鑑』から、2つの事例を紹介します。

カワトT.P.C.の「管理職ゼロ経営」

 山口県岩国市にあるカワトT.P.C.は、マンションの床下などにある給水給湯用配管の設計・組み立てをする会社です。

 ひと昔前は、配管工が建築現場で金属管を加工、接合するのが普通でしたが、カワトは軽量の樹脂製パイプを使い、あらかじめ自社工場で組んでから現場に納入するプレハブ式。現場作業が軽減し、コストも削減できるため、デベロッパーから重宝されています。現在、首都圏のマンションの3割以上に、カワトのプレハブ配管が使われています。

 東京や大阪には営業社員だけ置き、配管の設計・組み立ての大半は山口県岩国市でこなします。軽作業のため、パイプの組立工場で働く社員は全員女性。こうしたビジネスモデルもユニークですが、それ以上におもしろいのが組織づくりです。

(イラスト/高田真弓)

 まず、工場長をはじめ管理職が1人もいません。対外的に部長などを名乗る人はいますが、実際には現場で組み立てや営業をしています。つまり、管理専門の管理職がいないのです。社長の川戸俊彦さんも、週の半分は東京や大阪で営業に飛び回っています。

 品質管理の専任者もいません。

 例えばパイプの組立工場では。約130人を4~6人のグループに分けて、作業計画の立案から配管の加工、組み立て、梱包、検査までをグループ内ですべてこなします。

 「誰がどんな作業をしたか、現場のコンピューターに履歴を残しており、責任を明確にしています。出荷する包装袋に担当した社員の名前を入れているのも、自分はこの作業のプロフェッショナルだという意識を持たせるためです」と川戸さんは説明します。プロ意識の強い社員なら、管理の必要はないという理由で、職場にはタイムカードすらありません。

 なぜ、これで会社が回るのか。それは、独自の「利益率管理表」があるからです。

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