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箱根町長が語る「町が誕生して以来の最大の窮地」

山口 昇士氏[箱根町長]

  • 日経ビジネス編集部

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2015年8月26日(水)

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鎌倉時代以来の噴火に見舞われた箱根山のお膝元、箱根町。夏休みの行楽シーズンが到来するも、宿泊数激減の窮地に立たされている。復興に奔走する町長は、風評に伴う日本人の「箱根離れ」に嘆息する。

[箱根町長]山口 昇士氏
1944年10月神奈川県小田原市生まれ。明治大学商学部卒業。67年箱根町役場に入庁。観光対策室長、企画室長などを経て、93年に助役。2000年町長に当選。2012年に実施した町長選では「国際観光地への飛躍」を訴え、4選を果たした。趣味は山野草栽培、読書、ゴルフ。

(写真=後藤 麻由香)
箱根山の観光被害の概要
4月下旬から箱根山の大涌谷周辺で火山活動が活発化。6月末から大涌谷での小規模な噴火が確認される。気象庁は6月30日、噴火警戒レベル3(入山規制)を発表。大涌谷周辺では、「箱根ロープウェイ」が運休、一部周辺の温浴施設では温泉が出なくなるなどの被害が出ている。今回の火山活動による地元企業への救済措置として、「箱根地域等緊急支援融資」が設置された。

 今年4月、およそ800年ぶりに火山活動が活発化した箱根山では、入山を規制する警戒レベル3(取材時)が続いています。夏休みに入り、町役場のある箱根湯本は少しずつにぎわいを取り戻しつつあるようです。火山性地震も落ち着いてきた感があります。

 ですが、安堵してはいられません。箱根の名所、大涌谷(おおわくだに)にある温泉供給施設は、火口から近いために保守作業に入ることができません。するとパイプに硫黄成分などが付着してふさがり、温泉の供給量がどんどん減ってしまいます。パイプ詰まりを起こさないために日常的なメンテナンスが必要なのですが、それも不可能な状況です。

 今、大涌谷にある源泉だけで仙石原や強羅など約200カ所の温浴施設に温泉を供給しています。いよいよ湯量が減って、湯温が下がった施設も出てきました。

 ハーブ湯などでしのいでいる宿もあると聞いています。しかし、温泉あっての箱根です。「温泉が出ないのなら、結構です」と客から宿泊を断られるケースもあったと聞いています。

宿泊数は例年の4割減に

 箱根は観光を軸とする第3次産業が就業人口ベースで約8割を占める、完全に観光に依存した町です。それが7月の段階で8月の宿泊施設の予約状況を見ると、前年同月比3~4割減というありさまです。昨年の半分も部屋が埋まらない宿もあります。宿泊施設が閑古鳥だと当然、周辺の土産店など観光産業全体に影響が及びます。

 特に強羅や仙石原の温泉街は大きな影響を受けています。「箱根ロープウェイ」や大涌谷周辺の道路がストップしていて、箱根の周遊ルートが断たれているからです。企業の保養所も休業するところが出てきました。

 2011年3月に起きた東日本大震災でも大きな打撃を受けましたが、あの時はほどなく観光客が戻ってきました。しかし、今回はいつ火山活動が終息するのか読めません。町の観光業従事者は、「先が見えない怖さがある」と口をそろえて言います。

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