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創業260年余りの「たち吉」はなぜ倒れたのか

岡田 高幸氏[旧たち吉元社長]

  • 日経ビジネス編集部

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2015年9月16日(水)

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創業260年余りの歴史を持ち、日本の食卓を彩った、京都の老舗食器販売大手「たち吉」。百貨店不況と、消費者の陶磁器離れに打つ手なく、特別清算を申請した。創業家最後の社長は、「目先の利益を求め、らしさを失った」と反省の弁を口にする。

[旧たち吉元社長]岡田 高幸氏
1977年8月、創業家の14代目として東京都に生まれる。早稲田大学商学部卒業。2001年たち吉に入社。日本橋三越本店のテナントで3年間販売員を務める。法人外商の担当や京都本社の経理・財務係長を経て、2010年6月社長に就任。2015年3月、新会社(社名は同じ)の設立と同時に退任した。

旧たち吉の特別清算の概要
たち吉は結婚式の引き出物などで人気を博したが、中国製の安価な製品に押されるなどして、顧客離れが加速。2014年3月期に債務超過に陥った。2015年2月、投資ファンド運営のニューホライズンキャピタル(NHC)が約11億円を投じて支援を決定。同年3月にNHCが設立し、社名を引き継いだ新会社に全事業を譲渡。旧社は商号を四条富小路に変更した。7月15日に京都地裁に特別清算を申請。負債額は28億7000万円。

 「たち吉」の名の下、京都の老舗陶磁器販売会社を続けてまいりました。しかし近年は経営難に陥り、投資ファンドの支援を受けました。そして7月15日京都地裁に特別清算を申請するに至りました。経営者として反省点も多く、この場を借りて関係者の皆様にお詫び申し上げます。

 たち吉は1752(宝暦2)年創業、263年の歴史を持つ京都の老舗食器店です。京都の雑貨商が前身で、当初はよろいなどの販売も手掛けていたようです。次第に大衆用の茶碗など焼き物の販売を手掛けることになり、明治中期に屋号を「橘屋吉兵衛」から「たち吉」に変更。戦後は私の祖父とその義兄が株式会社にし、質のいいものを選んで販売するセレクトショップに仕上げました。

 たち吉は、1980年代後半から90年代初頭のバブル期に全国の百貨店に次々に進出します。北は北海道から、沖縄の三越、中国・上海の高島屋にまでテナントを展開しました。この百貨店依存型ビジネスは中元、歳暮、結婚式の引き出物などの需要の高まりに乗じて大成功を収めました。

 92年3月期には271億円と過去最高の売上高を計上。京都には京セラや任天堂、ワコールなど名だたる企業がありますが、「たち吉」も、京都では誰もが知るブランドに育ちました。日本の食器産業を支えてきたという自負は今でも持っています。

コメント8件コメント/レビュー

いち和食器好きとして。残念な記事。
昔から実家にあるような日々使いの中に彩りを添えてくれる、少し味のある面白いものは無くなり、売らんかなの無難なもの、一般に溢れきったようなものばかり見かけるようになったと思っていたら、成る程。
他の方が既にコメントされている通り、その回顧としてこれはあんまりに浅く、また他人事の気配。昔は成長の波があった、ブームに乗れなかった、恩恵がなかったとありますが、 扱いのラインナップを見ていたら…このお考えはズレているとしか思えません。食卓に並べるイメージを掻き立てるようなときめきが、無かったのです。(2015/09/21 10:10)

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いち和食器好きとして。残念な記事。
昔から実家にあるような日々使いの中に彩りを添えてくれる、少し味のある面白いものは無くなり、売らんかなの無難なもの、一般に溢れきったようなものばかり見かけるようになったと思っていたら、成る程。
他の方が既にコメントされている通り、その回顧としてこれはあんまりに浅く、また他人事の気配。昔は成長の波があった、ブームに乗れなかった、恩恵がなかったとありますが、 扱いのラインナップを見ていたら…このお考えはズレているとしか思えません。食卓に並べるイメージを掻き立てるようなときめきが、無かったのです。(2015/09/21 10:10)

10代20代の頃、母親が所有している「たち吉」のお皿に魅せられ、自分も所帯を持ったらこういう美しい器を集めて食事時に使用したいなと思っていました。

30代になり、お皿を揃えられる収入も、所帯もマイホームも持った今、デパートのたち吉に何度か立ち寄りましたが欲しい物がみつかりませんでした。食器棚に並ぶのは、普段使い用の、使い勝手の良いイッタラや白山陶器のお皿たちと、特別な日用にセレクトショップやインターネットで購入した、ちょっと値が張る民芸作家さんの食器類。

「個人消費が減退したため陶磁器の生産量が落ちた」、と記事の中で分析されていましたが、果たして本当にそれが原因でたち吉の経営が悪化したのでしょうか?第二次ベビーブーム世代とその前後の世代が所帯を持ち始めたこの10−15年くらいに確実に、各家庭で食器を揃えるニーズがあったはずです。そのニーズを、たち吉はうまくすくい取れなかったのではないかと感じます。(2015/09/20 18:21)

食器は難しいですね。日用品としては高くて使いづらく、かといって贈答用としては中途半端な食器は、おそらく買ってもらえない。買う、買わないは別にして、かっぱ橋歩いた方が楽しいし。(2015/09/19 11:43)

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