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ジオラマで“妄想スイッチ”をガツンと入れろ!

「情景師アラーキー」こと荒木智氏に聞く【後】

2015年6月19日(金)

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この画像サイズでは「Yはなにを盛り上がっているのだ」と、ピンとこない方もいると思います。ですので、ぜひ拡大表示で見て下さい。息を呑みます。©Satoshi Araki

 某大手家電メーカーで、プロダクトデザインを担当してきた会社員、荒木智さん(情景師アラーキー)。彼が創る超リアルなミニチュア、そしてジオラマは、見る人に勝手に「物語」を想像させる力を持ちます。完成品を見て物語を読み取ってもらえるかどうかは、何にかかっているのでしょう。

凄い!ジオラマ』荒木智著、アスペクト。

 さらに言えば、見る人に「物語」を感じさせる方法論は、いま、荒木さんがお勤めの家電メーカー、そして日本企業の多くが挑む「ブランド構築」「ユーザーエクスペリエンスの提供」に、強くつながっている話ではと思えます。この春、デザイン部門から、よりによってユーザーエクスペリエンス関連の部署へ異動した荒木さんは、「重要なのは妄想です」と指摘します。メーカーが紡ぐ「物語」は、ユーザーの「妄想スイッチ」がオンにならなければ伝わらない。スイッチを入れる鍵は彼のジオラマの、どこにあるのでしょうか。

(前回から読む

展覧会の会場に来て、1時間半ずっと荒木さんのジオラマを見つめて帰った女性のお話をお聞きしましたが。

荒木:やっぱりそういった、恋愛も含めた物語、「いま見えているもの」の前後の話って女性の方が直感的に認識するし、共感することも多いようですね。たとえばジオラマの写真を見ても、女性はいろいろな物語を妄想するのに対して、男性の方は「どうやって撮ったのか」と、テクニックの方を見たいと思う方が多いです。

なるほど。ご自身はどうですか。男性的、女性的で言うと。

荒木:ハイブリッドだと思います。

やはりそうですか。個人の趣味としてやって来られて、今回、テレビへの出演から展覧会や単行本まで、一気に支持が広がったわけですけれど、その根っこには「物語」があるんでしょうか。

「いまどき、こんなことやっている人がいる」

荒木:それもあるかもしれませんが、一番大きいのは、たぶん世の中こんなにスピードを求められるストレス社会なのに、緻密なことをこつこつやっている、ということに対する驚きとか、「この人は何なんだろう」と思われたことが結構あるのかもしれないですね。

なるほど。

荒木:1つのものに対してものすごく、ずっとこだわって時間をかける、ということに対しての価値観が、今なくなってきてはいる、というか、難しくなっていますよね。例えば、テレビをじっくりお茶の間で見るということすらほぼしなくなっていませんか。テレビを見ながら手が暇だからツイッターをやって、感想をつぶやいたり、他の人の感想に対して共感したりと。

確かに。荒木さんの作品も、最初はツイッターで火が付いて、単行本の話もそこからと伺いました。

荒木:そうなんですよね。あのゴミ捨て場の写真(記事冒頭)です。

このすごさを共感したいというところでまずばっと広がったと。

荒木:…というところもあるし、世の中にはこんなに暇な人、ばかな人がいるんだよということに対してもみんな貪欲なものです。「あ、ばかだ」「俺もばかだと思った」みたいな感じでもばーっと拡散しちゃうところがある。拡散するキーワードの多くは「俺もそう思った」という、共感なんです。自分の場合は、たまたまいいように働きましたけれど。

ネガティブに出る可能性も案じましたか。

荒木:そうですね。「こんなの合成に決まっている」というような話が出るかなと思ったんですけれど。

素敵なモノは素敵、すごいものはすごい。そこも構成力というか、込められた妄想、物語の厚みで結果が変わるような気がします。どうでしょう、ジオラマの場合、荒木さんはどういうところで、見ず知らずの他人の妄想スイッチ、物語を感じるセンサーを入れているんだと思いますか。

コメント4

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「ジオラマで“妄想スイッチ”をガツンと入れろ!」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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