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「マジンガー課長」は、表情がないから愛される

マッキャンエリクソン・斉藤芳弥さん、映像監督・磯見大さんに聞く

2015年12月14日(月)

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マニュライフ生命が、40代、50代をターゲットに、知名度向上と「セカンドライフ」を売り込むべく制作した、「マジンガーZ」が課長として登場するウェブムービーが、Youtubeで122万回再生を突破した(2015年12月11日時点)。こういった「懐かしのヒーロー」を起用するのは、知名度の高さからよくあるが、実は、諸刃の剣なのだという。前編に引き続き、制作に当たったマッキャンエリクソンのクリエイティブディレクター、斉藤芳弥さんのお話をお聞きし、さらに、このムービーを実際に演出した、磯見大監督へのインタビューもお届けする。

(前回から読む

©Dyn

早期退職に応募し、セカンドライフに踏み出す「マジンガー課長」。このムービーの公開後、斉藤さんが驚いたのはファンの反応が思いの外、温かかったことだったと。

マッキャンエリクソン クリエイティブディレクター 斉藤芳弥さん(以下斉藤):こういう企画は、まずファンの方が反応してくださると期待して作るんですけれど、そこは諸刃の剣で、だいたい半分近くはネガティブに受け止められます。ていうか、自分の好きなモノを使われることに対して無条件に嫌な方は必ずいる。でも今回やってみて驚いたのは、ネガな反応がほとんどないんです。

へえ。

斉藤:今回も、いただく声の半分くらいは文句かなと覚悟していましたが、「思わず泣いた、見入った」と。

広告なのに、ファン心がきゅんとする。そこをどうやったのかをお聞きしたいんですが、どの辺に気を遣われたのかをざっくばらんに伺えますか。

一つ間違えれば、ドリフのコントになる

斉藤:お言葉に甘えて、ざっくばらんに言いますと、この企画、そのまんまやったら、昔のドリフのコントと同じになってしまうんですよ。

は? どういうことでしょう?

斉藤:「もし、課長がマジンガーZだったら」というコーナーと一緒ということです。要は、ただのコントになるんですよね。

ううむ。言われてみれば。

斉藤:まず、「いかにただのコントにしないか」ということだと思うんですよ。そのために、「課長がマジンガーだ」と言うこと以外は徹底したリアルな作りにしていますし、内容も、人の心理を深く描くと決めたんですね。それは、安く、簡単にやると、着ぐるみコントになるからです。

本当にそうですね。もちろん、くすりともさせているけど、コントになってはいない。「マジンガー課長」が実在する世界、になっている。なぜだろう。

斉藤:情景・設定がリアルなのに加えて、そこは監督の力です。人の気持ちを揺さぶるのがうまい方です。磯見大さんとおっしゃるんですが、ほら、最近話題になった、東北の音楽教室の…(こちら)。

ああ、あの! あれずるいですよね。分かっていても泣かされますよね。

斉藤:ですよね。40代50代になってくると、人の心理の機微や、人生の酸いも甘いもわかっていますから、やはり大人の人生観とかをしっかり伝えられる人でないとダメだなと。

うーん。納得しそうになりましたが、「課長はマジンガー」がリアルな世界って、俺の気持ちを、あたしの気持ちを、分かってくれる課長が、たまたまマジンガーZだったということですよね。

斉藤:そうですそうです。

ハハハ、なんなんですかそれ。なんでそんな無茶な設定なのに見入ってしまうのか。

いいなあ、こんな課長

斉藤:なんで課長がマジンガーか、というのは、もちろんターゲットの人達にとって、子供の頃からヒーローだったということもあるんですけど…どこかで、なんていうか、その世代の人、うまく立ち回って出世される方もいるとは思いますが、ほとんどの人は、ロボットという言い方はすごくアレですけれど、誰かの命令で働いている。

まあ、それはそうですね。

斉藤:だから、誰でもある程度、自分を殺して人のため、組織のために尽くしてきたという思いがあって、でも、口べたで気持ちが伝えられなかったり、真面目に働いてきても、大出世したわけでもなかったり。そういう普通のいわゆるサラリーマンだって、みんな実はマジンガーなんだよ、自分もヒーローなんだよということをちゃんと伝えていけば、「単なるアニメを実写にしました」というよりも、深いところに行けるかなと思いましたね。

ああ、なぜかマジンガー課長には、不器用で生真面目で、でも気持ちの熱いヤツ、っていう、どこか、すごく健気な印象を受けます。

斉藤:これは持論なんですけれど、映画「天空の城ラピュタ」で一番泣けるシーンって、最後に崩壊していくラピュタから主人公たちが離れていくときに、その城の中で、ロボットがお花を運んでいるシーン、あそこだと思うんです。

なるほど。

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「「マジンガー課長」は、表情がないから愛される」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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