• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「ソニーショック前夜、うつ社員が急増した」

AIBOの開発責任者、土井利忠の述懐(その3)

2016年6月15日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 戦後間もなく発足し、かつては世界に驚きを与え続けたソニーが、今も苦しみ続けている。業績は回復してきたものの、国内外で圧倒的なブランド力を築いた面影は、もはやない。日本人に希望をもたらしたソニーは、どこで道を誤ったのか。長くソニーの歩みを見た経営幹部が、今だからこそ話せる赤裸々なエピソードとともに、ソニーの絶頂と凋落を振り返る。あの時、ソニーはどうすべきだったのか。

 これまでにソニーOBの丸山茂雄氏()、伊庭保氏()、大曽根幸三氏()に話を聞いてきた。

 連載4人目は、子犬型ロボットのAIBOや二足歩行型ロボットのQRIOなどの開発を手掛けた土井利忠氏。AIBOやQRIOの開発が始まった経緯からロボット事業撤退の舞台裏、ソニーが知らず知らずのうちに陥っていた病理の分析などを、5日連続で語る。今回はその3回目。(前2回へのリンク⇒「1回目」「2回目」

聞き手は日経ビジネスの宗像誠之。

土井利忠(どい・としただ)氏。
1942年、兵庫県生まれ。64年東京工業大学電子工学科を卒業、ソニー入社。工学博士(東北大学)、名誉博士(エジンバラ大学)。デジタルオーディオ研究開発プロジェクトマネジャーとして、蘭フィリップスと共同でのCDを開発するプロジェクトや、ワークステーション「NEWS」の開発などを担当。AIBOやQRIOといったロボット開発などの責任者も務めた。87年にスーパーマイクロ事業本部本部長。1988年にソニーコンピュータサイエンス研究所長。2000年にソニーの業務執行役員上席常務に就任。2004年にソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所社長。2006年にソニーグループを離れる。現在は、中小中堅企業などへ経営を指南する「天外塾」を主催しながら、医療改革、教育改革にも取り組む。「天外伺朗」というペンネームでの著書多数(撮影:北山 宏一)

1回目2回目とお話を聞いていると、随分と出井(伸之、ソニーの会長兼CEOなど経営トップを歴任)さんとの確執は根深そうです。

土井氏(以下、土井):自分の書籍に『マネジメント革命』という本があって、その中でダメな上司の典型例をいくつかパターン化して紹介しているんだ。

 その一つに、「改革かぶれマネジメント」というのがある。初めて打ち明けるけど、これは出井さんをモデルにして書いたんだ。

 要するに、「おまえらが今までやってきたことはさっぱりダメだ。これからはこうやるんだ」と、過去を全部否定して全てを変えて、変革の旗手になろうとする経営者の典型例だったんだな、出井さんは。

 「改革のヒーローになりたい」という願望からこういう行動をしてしまう。何もかも新しくしなければいけないというプレッシャーから、従来のソニーの良い部分まで全部破壊してしまったんだ。

 厄介なのは、自分に確固たる信念や価値観があって新しいやり方を導入するのではなく、「ヒーローになりたい」という自己顕示欲が動機なものだから、当然、掛け声倒れでうまくいかない。

 今までの創業者世代があまりにも持ち上げられてきたし、サラリーマン経営者として登場することになる出井さん自身の劣等感の裏返しでもあったんだと思うよ。自分がソニーの新時代を改革するヒーローになって、「創業者世代や、それを信奉するエンジニアたちを見返してやる」という思いが強かったんじゃないかな。

 ただ、確固とした軸がないから、当然、社内ではちぐはぐな事象が起こってくる。例えばAIBOはネット販売で売れていたんだ。ソニーでは最初のネット販売だった。だけど出井さんは、あれほど「ネットの時代だ」と言い続けていたのに、AIBOをネットで販売したことは、自分の言い出した案ではなかったしAIBOも認めていなかったので、決して評価しようとはしなかった。

 路線は同じでも、自分が主導したことでないと気に入らないんだ。過度なトップダウン重視といってもいい。

 僕が説明したフロー経営は、トップダウンというよりも現場から湧き上がる内発的なモチベーションを重視する。トップが言ったことしかやれないなら現場のモチベーションは落ちてしまうよ。

コメント31件コメント/レビュー

身内からの愚痴と元社長批判に加え内情暴露話が満載で、永年のソニー製品愛好者としては大変寂しい思いです。是非、出井氏へのインタビューも実現してください。(2016/06/19 20:12)

「オレの愛したソニー」のバックナンバー

一覧

「「ソニーショック前夜、うつ社員が急増した」」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

身内からの愚痴と元社長批判に加え内情暴露話が満載で、永年のソニー製品愛好者としては大変寂しい思いです。是非、出井氏へのインタビューも実現してください。(2016/06/19 20:12)

 周辺をイエスマンで固めているから、周知の話ですと指摘する人もいないし、掛け声だけでは、軌道修正を促す人もいないから。どこかと同じです。
 うちのトップも変革を全面に押し出していますが段々、社内がおかしくなっています。
 他の方のコメントにもあるように、それを是正したり改善する能力がある人は辞めてしまったり、定年までの守りに入ってしまい、若手からから最近は中高年まで潰れる人が増えてきました。
 日本病なんでしょうか。現場はなんとかしたいとは思っていますが、本社の会議室には伝わりません。(2016/06/17 18:39)

出井さんが金融エンタメに力を入れたからソニーが残っているというコメントがありますが、キャッシュを得るために金融を(最終的には生命保険でしたが)始めたのは盛田さんで、出井さんではありません。
確かに在任中有利子負債を減らすことには努力されたようですが、それ以外は何も実績はないのでは?
更にストリンガー氏を後任にしたという、ソニーの凋落を加速したのは罪深いことだったのでは?(2016/06/17 10:51)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長