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中国人の「おもてなしの心」の引き出し方

「極楽湯」中国攻略の極意(最終回)社員教育編

2016年6月24日(金)

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雨の中の行列は、冬期の極楽湯でよくある風景だ

 上海に進出したスーパー銭湯「極楽湯」。その繁盛を現場で支えているのは、言うまでもなく現地採用の中国人社員たちである。店舗の見た目やお風呂の設備がいくら立派でも、働き手がだらだらしていたら日本流の「おもてなし」は再現できない。

 とはいえ、言葉や文化の異なる中国人社員との意思疎通だけでも大変なのに、どうやって「おもてなし」の考え方を教えたのか。そもそも、中国人に「おもてなし」が理解できるのだろうか。

 極楽湯インタビューの最終回は、上海1号店の立ち上げで社員教育の責任者を務めた総合企画部企画課長の宮田知佳さんにお話を聞いた。

(※ 本連載のインタビューは昨年12月~今年2月に行いました。筆者の事情により掲載が遅れたことをお詫びします。肩書きは当時のものです)

*  *  *

宮田さんは上海1号店を立ち上げる際、新入社員向けの教育研修プログラムを作られたそうですね。言葉も文化も異なる中国人社員と向き合って、とまどいはありませんでしたか。

宮田:やはり現地で生活すると、中国人の考え方は日本人とは違うな、と感じることが多々あります。特に上海に赴任した当初は、日本と違うことは分かるけれど、具体的にどう違うのか、なぜ違うのかが分からなくて、何もかも手探りでした。「どうしてこんな考え方をするのだろう」と。

極楽湯の宮田知佳総合企画部企画課長

 そういう意味では確かに苦労もしました。でも個人的には、中国人と日本人では生まれ育った環境も文化も違うから、発想や習慣が違うのは当たり前だろうと最初から覚悟していたんです。だから違いそのものに対するとまどいより、それをどうやったら超えられるかに頭を悩ませました。

いわゆる「おもてなし」の考え方は、日本の文化と深く結びついていますよね。社員教育で短期間に理解してもらうのは難しいのでは。

宮田:1号店のプロジェクトでは、計画段階から「日本のおもてなしを表現する」という目標がありました。それをどうしたら実現できるか。上海で現地の人々と実際に接しながら考えるうちに、ある時ふと気付いたんです。「おもてなしの心は中国人にもあるじゃないか」と。

どういうことですか。

「おもてなし」の出し方が違うだけ

宮田:例えば、中国の人々は家族や友人をとても大事にします。特に自宅に招いた時の歓待ぶりは、本当に至れり尽くせりです。それに、高齢者や小さな子供に対してやさしく接する人がとても多い。そういった部分では、中国人のおもてなしの心は日本人以上かもしれないと思いました。

 つまり、中国人のおもてなしの心はそれが表現される場や、表現の仕方が日本人とは違うのです。だから「おもてなしの心がない」と日本人は誤解しがちです。でも実際には持っているのだから、私は社員の教育・研修を通じてそれを引き出したいと考えたんです。

なるほど。そのためにどんな教育をしたんですか。

宮田:入社して最初の研修では、日本では当たり前でも中国では当たり前でないことを、まずは真似してもらうところから始めます。きちんとおじぎをする。笑顔であいさつする。お客様に何かを渡す時は両手で渡す。方向をご案内する時は、指さすのではなく手のひらで示すなど、ごくごく基本的な動作の練習です。と同時に、なぜそうするのかをひとつひとつ説明します。

 そのうえで、自分の頭を使って考えてもらう工夫をしています。例えば、お店のなかで実際に起きることを具体的に想定し、「お客様にとって心地よいのはどんな対応か」などとクイズ形式で質問します。さらに、自分が出した答えについて「なぜそう考えたのか」を説明してもらい、同期入社の仲間の意見も聞いて、一緒に考えてもらったりします。

慣れない動作や考え方を、すんなり受け入れられない人もいるのでは。

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「中国人の「おもてなしの心」の引き出し方」の著者

岩村 宏水

岩村 宏水(いわむら・ひろみ)

フリージャーナリスト

大手出版社に19年間勤務し、うち12年間を中国と香港で過ごす。2010年に独立。現在は東京を拠点に、日中間を往復しながら取材・執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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