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小倉昌男に学んだ「規制の壁の先にある希望」

ケアプロ川添社長が小倉イズムから得た哲学(前編)

2017年9月13日(水)

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川添社長も、自己採血によるセルフ健康チェックを普及させていく過程で、行政や既得権益を持つ機関などから、猛烈に反対を受けましたね。

川添:起業した当初から、ケアプロは社会の役に立つ事業を展開している、という自負心はありました。社会にとって良いことをやっているのに、それが認められない日本って、一体何なんだ、という歯がゆい思いも感じていました。そんな時、同じような状況で規制の壁を乗り越えた先人が小倉さんだと指摘されたわけです。

 小倉さんを書籍で知るうちに、ならば自分もやれるのではないか、思えるようになっていきました。諦めない方がいいな、と。

 2014年に臨床検査技師法が改正されるまで、自己採血による検査は、実はグレーゾーンとされていました。そのため商店街や食品スーパー、パチンコ店、サウナなどの一角でワンコイン健診をしていると、医師会や保健所から、頻繁に横やりが入ったのです。「簡易検査をやられたら病院が潰れてしまう」「警察に訴える」などと言われました。

利用者が味方になれば、壁は乗り越えられる

厳しいアゲインストの風を受ける中から、どのように流れをつかんでいったのでしょう。

川添:会社を設立してほぼ1年後の2008年11月、ケアプロの常設店を人口密度が高くて若者の多い東京・中野に開きました。常設店なので、私も看護師としてサービスを提供していたのですが、この時、常連のお客様が、たまたま私が保健所に指導されていることを知ったのです。当時は時々、保健所の担当者が店舗に来て、廃棄物をちゃんと処理しているのかなど、色々とチェックをしていたのです。

 そのお客様は、うちで糖尿病が発覚して、その後、病院で治療をして体調が改善した人でした。その人が、保健所に指導を受けている私を見て、心苦しく思ってくれたのでしょうか、中野区議会議員に陳情し、それがきっかけとなって、実際に議員が見学に来られたのです。

 その結果、「ケアプロのサービスは区民にとって必要なことだ」と、議員が保健所に訴えてくれた。まさに、小倉さんが手掛けた宅急便と同じように、利用者の声が、最後は規制を動かしてくれたのです。

 当時は、駅前などでも頻繁にケアプロの健診を手掛けていました。すると保健所の担当者が、頻繁にチェックに来ていました。するとある時、私たちの業務を監視していた保健所の担当者に対して、その場にいたお客様が「自分は検診を受けたいんだ。保健所は帰ってくれ」と闘ってくださった。私が意図したわけではないのに、お客様が自分の意図でケアプロのサービスを選んでくださった。

 こうして地道に、お客様の支持を開拓して、起業から3年目には、単年度黒字化を果たすことができました。

規制の先に大きなチャンスがある

川添:国や既得権益を持つ機関との闘いを乗り越えると、そこには大きなビジネスチャンスが開けていました。

 小倉さんも規制と闘い、パイオニアとして宅急便のサービスを生み出し、マーケットを切り拓いていった。その後、宅配便の市場規模は急激に拡大していきます。そう考えると、既得権益がはびこっているところには、実はものすごいビジネスチャンスがある、とも言えます。

「私の中の小倉昌男」の目次

「小倉昌男に学んだ「規制の壁の先にある希望」」の著者

永井 隆

永井 隆(ながい・たかし)

ジャーナリスト

新聞記者を経て1992年からフリーとして独立。著書に『サントリー対キリン』(日本経済新聞出版社)、『人事と出世の方程式』(同)、『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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