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「裏メニュー」「チョコポテト」誕生の舞台裏

足立マーケ本部長が語る、“背徳観”でニュース量産

2017年9月13日(水)

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サラ・カサノバ社長兼CEO(最高経営責任者)からも声が掛かったと。

足立:はい、そうですね。ただ当然、採用するときは何人もの人に声をかけますから、私はその中の1人だったと思います。マクドナルドのマーケティング担当の入れ替わりは激しく、私は過去10年間で9人目です。ですので、いろいろな方に打診していたのだと思います。

再建中だったので、やりがいがあると判断したのですね。

足立:そうです。実は、2つのタイミングが重なったんです。1つは、マクドナルドは2015年12月期に過去最大の赤字となったのですが、その最悪の期の真っ只中に声が掛かったので、これはやりがいがあると思いました。

 そしてもう1つは、私自身、ワールドのリストラが終了するタイミングでした。早期退職に応募した方たちが辞める時期が2015年9月末だったので、そこで私も一緒に退職しました。一つの大きな仕事が終わったタイミングで、こればかりは縁なので何とも言えないですが。

ミッションは売り上げ拡大、来客数と客単価増やすこと

当時、カサノバ社長からはどのようなミッションを伝えられましたか。

足立:マクドナルドのマーケティングの役割は基本的に、お客様を呼んでくることと、売り上げを増やすことです。この2つをなんとかすることが、私に与えられたミッションでした。

 普通、再建屋のミッションは利益を出すことなんですが、私には利益についての注文はあまりありませんでした。私が入社するまでにコスト削減策はある程度終わっていて、リストラも1回実施していました。不採算店の閉店なども進んでいたので、あとは売り上げに集中しなさいと。そこは明確でした。

 これはグローバルでも同様で、マクドナルドのマーケティングのミッションは売り上げと顧客数を増やすことなんですよ。利益を求めない珍しいマーケティングです。もちろん、売上高を増やしても利益が出なかったら意味がないので、自分としてはきちんと利益も出る形での売り上げ向上を目指してきました。

 例えば全国的なプライスキャンペーンは昨年、1回しかやっていません。2011年ごろは年間13、14回、全国的なプライスキャンペーンをしていましたから、大きな違いです。

 今のマーケティングでは、価格訴求はしていません。それが僕の中で言う利益の話なんです。一方、客数×客単価で売り上げを作る。つまり、客数だけではなく、客単価も同時に上げたかったんですよ。

 価格訴求に意味がないということではありません。確かに、客数に効くことは分かっています。しかし、それだけやっていてもブランド価値には全く寄与しないし、何より利益には結びつきません。過去の経験からも、価格訴求だけで客数を増やしても長続きしないことは分かっていました。

マクドナルドを価格訴求から高付加価値の会社に変える

それはご自身の経験ですか。それともマクドナルドの過去の教訓ですか。

足立:両方です。マクドナルドは過去、2010~2011年は価格訴求で業績を伸ばしてきました。しかし、ブランド的に良かったのかと言うと、決してそうではありません。私がかつていたヘンケルも同様でした。ですから、マクドナルドを価格訴求の会社から高付加価値の会社へと変えることを目指したのです。

確かにマクドナルドの長い歴史を見ると、2000年代には100円バーガーなど低価格を売りにしたキャンペーンを実施してきた印象が強いです。

足立:そうですよね。その前には、390円の39(サンキュー)セットなどがありました。ただし、「価格訴求をしない」という意味を誤解しないでほしいのは、「値上げをする」という話ではないということです。すごく低価格ではなくとも、ちゃんとたくさんのお客さんに来ていただけるように価格と価値のバランスを磨くということです。

 昨年は比較的、値段が高めのハンバーガーを期間限定品として発売しました。今年もそうです。一方で、「バリューランチ」や「おてごろマック」など、コストパフォーマンスがいい商品のニュースを途切れさせないようにしています。「高付加価値」と「バリュー」の両方に力を注いでいるのです。そうしないとマクドナルドがマクドナルドでなくなってしまいますから。

コメント5件コメント/レビュー

 なるほど、インパルス・フードか。さすが選ばれただけの人だけのことはある。きちんと数字を織り込んだ上での戦略の立て方が見事だ。(2017/09/13 14:42)

「マクドナルド、V字回復は本物か?」の目次

「「裏メニュー」「チョコポテト」誕生の舞台裏」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 なるほど、インパルス・フードか。さすが選ばれただけの人だけのことはある。きちんと数字を織り込んだ上での戦略の立て方が見事だ。(2017/09/13 14:42)

一時期は期間限定キャンペーンばかりやっていて不信感があったが、最近は商品ベースの訴求になったので落ち着いてきた印象があった。マックグランが新たに定番メニューになったのはうれしい。定番を変えることはないとのことだが、えびフィレオなどの例もあるわけだし、おいしい定番は今後もちょっとずつ増やしてほしい。

なおハンバーガーが59円などの時代は藤田田さん時代で、原田さんが就任した2004年以降はハンバーガーは80円→100円となっています。コーヒー無料なんかはやっていましたが。(2017/09/13 13:18)

従来の原田方式はブランドを毀損する消耗商売でMACの凋落は当然でした。跡を継いだカサノバ社長の手腕に興味がありました。
カサノバ社長が原田元社長のような将来性と一貫性のない奇をてらった場当たり的な販売政策でなく、基本的なところをじっくりと改革して行くところにブランド再生を確信していました。
商品、店舗の従業員の質も原田時代と大違いで大幅に改善されています。(2017/09/13 12:03)

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