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離島医療38年、面白くすることが欠かせない

瀬戸上 健二郎 [鹿児島県薩摩川内市下甑手打診療所長 「Dr.コトー診療所」のモデル医師]

  • 日経ビジネス編集部

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2016年3月28日(月)

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(写真=浦川 祐史)

 鹿児島県薩摩川内市にある手打(てうち)診療所で働くのは、市の職員としての任期が切れる今年3月末までのつもりでおりました。私は今年で75歳。年齢的なこともあり、潮時だと思っていました。

 ただ、市が後継の医師を探しても見つからず、下甑(しもこしき)島に3カ所ある診療所を1カ所に集約する方針を決めました。そこで昨年11月に島民向けの説明会を開いたところ、私の続投を望む署名や嘆願書が市長宛てに多数寄せられたとのことで、市の要請により後任が見つかるまで仕事を続けることになりました。

 手打診療所に赴任したのは1978年、37歳のときです。国立病院を辞めて開業するまで半年だけ働くつもりで本土から来ました。そのまま島を離れなかったのは、私の優柔不断さもありますが、へき地医療はやり出したら面白いんですよ。医者になってよかった、島に来てよかった。そんな場面を何度も経験しました。

 島に来たばかりの当初は診療所に設備が何もなく、患者さんに手術を勧めたら「こんなところで手術しません」と言われたこともありました。それまで、本土ならば治療可能だった患者さんが薬や機器の不備で島でずいぶん亡くなっていたのだから、そう思われても仕方ありません。

 私としても、機材があれば腕の振るいがいもありますが、自分のできることが思うようにできないのは面白くありません。面白くなければ長続きしないですよね。そんな私の気持ちを察したのか、役場に掛け合ったら、設備を次第に整えてもらえました。胃カメラに超音波、レントゲン、人工透析の機器、それにCT(コンピューター断層撮影装置)まで、結局必要なものは何でも買ってくれた。そういう意味では設備を整えてくれた行政の作戦勝ちかもしれません(笑)。

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